梅雨の終わりに愛を唄う【弐】 (ページ21)

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肆拾伍ページ21

『…う……』

あれ…私なんで…人間に戻って……。

鬼「ギョギョギョー……ギョー」

『ｯ…鬼!!』

目を開けると、水壺から抜け出していた。視界の右には鬼。左には、小鉄くん。

《さぁ、使うのです…………梅雨の呼吸を》

『ｯ…(これが……私の最後の使命!!!!!!)』

私は足元にあった小鉄くんの刀を手に取ると、鬼の前に立った。
数は3体。玉壺は無一郎が倒す。無一郎が勝つ。だから、私はこっちで刀を振るう。

小鉄「ｯ…A、さん？」

『……小鉄くん…君は……村は、…私が守る!!!!』

無一郎……ありがとう。私、足でまといだったね。何も出来なかった。ただ気絶して……勝手に鬼化して。

ごめんね。

だから…………だから最後は…………

私に守らせて。

『梅雨ノ呼吸…拾壱ノ型……運命(さだめ)……』

頬に桜の痣ができた。

辺りに鬼だけに効くナイフの雨が降り注ぐ。刀に触れる事なく、鬼は塵になって消えた。

小鉄「す、凄い……雨が…鬼を斬った…」

『…ゔっ……ゲホッゲホッ……ガハッ!!!』

濡れた地面に吐いた血が零れ落ちる。だけどその血の中には、桜が混ざっていた。

小鉄「？あれ……雨に桜が混ざってる……ﾊｯ!!Aさん!!!」

桜の雨が、村の人達の傷を治してくれる。ほら、小鉄くんの傷だって、治してくれた。

小鉄「Aさん!!!大丈夫ですか!?それにこの桜は……」

あぁ。月が見える…。仰向けの方が楽だなぁ…。

小鉄くんと金盛さんは頑張って私を安全な場所へ連れて行ってくれた。

金盛「Aさん…貴方まさか……」

『……えへっ…気付いてたんだ…金盛さん』

金盛「どうして……どうしてこんな事を…!!」

大丈夫。もうすぐ、みんな治るから。

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梅雨ノ呼吸、拾壱ノ型運命(さだめ)

❀地を蹴り素早い動きで鬼を斬る技
❀特別な力が宿っており、技を使うと桜と雨が降る
桜には治癒効果があり、広範囲に渡って桜が振り続ける
❀歌う事で治癒スピードが上がる
❀雨は鬼に当たると刃と化す

これを使用した剣士は肺をやられて死んでしまう可能性あり