梅雨の終わりに愛を唄う【弐】 (ページ14)

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参拾捌ページ14

上弦ノ零。

鬼の中で最高位の地位を持つ、最強の鬼。

鬼舞辻無惨は上弦ノ零を最高2人、手元に置いていた。

1代目は、貴族の妻。2代目はとある商人の妻。

2人とも、誰かの妻だった。

結婚した女の血はとても濃ゆく、甘々しい香りを漂わせる。

その香りは一般人をも魅了するのだとか。

そんな上弦ノ零の三代目となったのが、Aだ。

あの日、トリカブトの毒を食べたため血の味が濃くなり、

更には無一郎との結婚でもっと濃ゆくなった事から、無惨

の目に止まったのだ。

鬼になった時の力と美貌は絶大で、血鬼術では透明になる

事が出来る。

ただ、上弦ノ零になるには条件があった。

1つが、誰かに強い恨みを持っている事

2つが、結婚している事

3つめが、よく血を流す事

どれも恐ろしいくらいAに当てはまっていた。

だがこの中のどれかが欠けてしまうと、鬼から人間に

戻される。用済みというわけだ。

だからか分からないが、

人間に戻された鬼は、記憶を全て失っているという……。