293歩目 ページ5
「な、舐められたもんだな！！」
そう叫んだ海兵が私に銃を向けた。
(遅い)
それが目に入った瞬間、ゴトリと銃口が切られて甲板に落ちた。
「なッ…」
「あんた達、いつまで勘違いしてるんだい？」
ざわめきだした海兵たちを、私は冷たく見つめた。
「これは、命令だよ」
「「！！！」」
海兵たちが一斉に銃を構える。だが、それも予測済みだ。
「馬鹿な人達…」
強く風が吹いた瞬間、海兵たちの銃が真っ二つになっていた。ゴトゴトと落ちた銃口に、海兵たちが青くなる。
「な、なんだこれ…」
「どうなってるんだ…！？」
「ク、クソ！！ひるむな、数はこっちが圧倒的に優勢なんだ！！」
まだ戦おうというつもりらしい。
(なら、その気持ちから折ってあげる)
私は軽く腕を振り上げた。
「"
その瞬間、船が激しく揺れた。悲鳴をあげる海兵たちが、何事かと船の外を見る。空は晴天、風は無い。だが、そこには見たことのない海があった。
「なんだ、こいつら…！？」
海水で出来た狗の頭が、船を取り囲むようにして甲板を見下ろしている。
「ヒッ…」
「あ…」
腰を抜かしたようにその場にしゃがみ込んだ海兵たちを見て、私は嗤った。
「さあ、遊んでやりな」
その言葉を合図に、次々と狗が大きく口を開ける。青ざめる海兵たちに、狗が次々と喰らいついた。悲鳴をあげ、逃げ惑う海兵たちがあっという間に、海の中へ消えていく。
「ねえ、あんたが一番偉いんだろう？」
悲鳴の中、甲板の中心でうずくまって震えている男に近づいた。さっきまで私を馬鹿にしていた態度が嘘のように、男は悲鳴をあげ、元々小柄な体をさらに小さく縮める。
「さっき、ネズミ大佐…って呼ばれてたよねぇ？」
「！」
「なあ、あんたに聞いてるんだよ、ネズミ」
海兵たちの悲鳴が少しずつ小さく、否、少なくなっていく。
「どうする？あんたの部下の命、今ならまだ助けてあげるよ」
「…わ、わたしは……」
「薄っぺらな誇りやメンツと部下と自分の命……秤にかけてみな。ああ、でも…」
ぎゃあ、と叫んだ悲鳴を最後に、シン…と甲板が静かになった。
「時間はなさそうだねぇ」
「あ……」
ネズミが顔をあげると、狗たちがずらりと首を並べ、ネズミを見ている。
「さあ、最後のチャンスだ」
「私の命令を、聞くよな？」
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りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜！トンカチって書いてましたか…！すぐ修正しときます〜！！ (2018年11月26日 18時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん！読ませていただいてますが、一つ質問？です！322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか？すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか！お返事ありがとうございますｍ(＿ ＿)ｍ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=･ω･=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては２つあって、１つは作者が面倒に思ったから。もう１つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - 質問いいですか？なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか？変なこと聞いてごめんなさい！これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2016年4月26日 14時
