321歩目 ページ34
「「…！！」」
老人の一言に、甲板に緊張が走る。白昼夢でも見ているわけでなければ、ここはあの巨大なクジラの胃の中だ。こんなところで暮らす老人が只者なわけがない。
(なにをやる気…？)
各々構える私達を、老人はただ見つめているだけだ。
「…へェ、誰が死ぬって？」
サンジが不敵に笑った。また重い沈黙が私達と老人の間に流れる。
「私だ」
「お前かよ！！！」
サンジの切れのあるツッコミに対しても、老人は無表情なままだ。思わずずっこけそうになった私達も、またすぐに態勢を立て直す。
「ナメやがって、あんにゃろ…！」
「まァ、熱くなるな」
頭に血がのぼっているサンジと代わって、今度はゾロが前に出た。
「おい、じいさん。教えてくれ。あんたは一体誰で、ここはどこだ？」
「…人に質問する時は、まず自分から名乗るのが礼儀ってもんじゃないか？」
「あァ…まァそりゃそうだ。悪かった」
「私の名はクロッカス。双子岬の灯台守をやっている。歳は71歳。双子座のＡＢ型だ」
「いや、あんたが名乗るのかい！？」
「あいつ斬っていいか！！」
今度はゾロまで頭に血が上ってきたらしい。だが、そうならざるを得ないのもわかる。クロッカス、と名乗ったあの老人と話していると、何となく調子が狂う。
(わざとやっているのか、根がああいう人なのか…)
どちらにせよ、曲者であることに間違いはない。私はひとつ息をついて、気分を落ち着けた。今、下手に逆上しても余計に事態がこじれるだけだ。
「ここがどこだと？お前ら、よくも私のワンマンリゾートに入り込んで、そんなでかい口が叩けるもんだな。ここがネズミの腹の中に見えるか！？」
「…や…やっぱりクジラに食われたんだ」
「どうなんの、私達…！！！う…消化されるなんていやだ…」
不安げなナミとウソップを庇うように、私は前を出てクロッカスさんを見た。
「それは申し訳なかったね。だけど、私達はただクジラに呑み込まれちまっただけ。あんたが出口を教えてくれるなら、すぐにでもここを出ていくと約束する」
「A、あんた馬鹿じゃないの？こんな所に出口なんて…」
「出口ならあそこだ」
「「出られんのかよッ！！！」」
老人の指さす方向には確かに扉がある。
「なんでクジラの腹に出口が…それに…」
ナミが上を見上げた。
「なんで空に扉が！！？」
「いや…まて…よく見ろ、この空…、雲も…」
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りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜！トンカチって書いてましたか…！すぐ修正しときます〜！！ (2018年11月26日 18時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん！読ませていただいてますが、一つ質問？です！322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか？すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか！お返事ありがとうございますｍ(＿ ＿)ｍ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=･ω･=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては２つあって、１つは作者が面倒に思ったから。もう１つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - 質問いいですか？なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか？変なこと聞いてごめんなさい！これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2016年4月26日 14時
