309歩目 ページ22
「ごめんなさい、助けてください」
隣のルフィは、反省のはの字も見えない表情でバギーを見上げている。その横で私は空を見ていた。雲が急速に重く、暗くなっていく。
「助けるかボケェ！！！」
カバジは処刑台からひらりと降りると、私達を見上げた。その隣ではアルビダが余裕の笑みで私達を見つめている。
「フン…我々に逆らえば当然こうなる」
「アタシの見込んだ奴らもここまで、か…」
おい、とバギーに頭を小突かれた。
「お前ら、最期に何か言っとくか？」
バギーの顔を見た。
(でも…怖くはない…)
どうしてか、むしろ心は穏やかだ。ゆっくりと鳴る鼓動の音が、微かに聞こえる。
「せっかく大勢の見物人がいる」
海賊王もここでこんな景色を見ていたのだろうか。何も言わない私達に、バギーがにやりと笑う。
「まーいいさ。言うことがあろうがなかろうが、どうせ誰も興味など…」
「おれは！！！！」
ずっと黙っていたルフィが、突然叫んだ。
「海賊王になる男だ！！！！」
ルフィの言葉にハッとする。そうだ、私はここでこの男を死なせてはいけないのだ。
「言いたいことはそれだけだな、クソゴム！！！！」
(死ぬなら、私だけでいい)
わざとガタガタと枷を鳴らし、暴れる。バギーが驚いたように私を見た。
「「その死刑待て！！！！」」
サンジとゾロがこちらに向かってきているのが見えた。まだ、刃はルフィに突きつけられたままだ。
「サンジ！！！ゾロ！！！」
「２人とも！！せめてルフィだけでも助けて！！」
「ほう…」
剣が私の首筋に当てられる。
「そこまでクソゴムを助けてェなら、てめェから殺してやろうか？」
バギーの言葉に、私は笑った。
「殺してみなよ、赤っ鼻」
ギリ、とバギーが剣を握る力を強めた。
「そうか…ゾロ、来たな。だが一足遅かったらしい…」
これでいい。ルフィが生きるチャンスがあるなら、それでいい。
「言ったな、女！？だが…」
バギー一味から投げられたもう１本の剣が、バギーの手に渡る。
「お前の手には乗らねェぞ？殺すときは、お前ら２人で仲良くあの世行きにしてやると決めてたからな」
死ぬ、のだろうか。隣にいたルフィを見る。なぜかルフィもいつも通りだった。
(ここで…死ぬのか)
駆けてくるゾロとサンジを見つめ、私とルフィは同時に口を開いた。
「わりい、おれ死んだ」
「ごめん、先に逝くよ」
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りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜！トンカチって書いてましたか…！すぐ修正しときます〜！！ (2018年11月26日 18時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん！読ませていただいてますが、一つ質問？です！322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか？すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか！お返事ありがとうございますｍ(＿ ＿)ｍ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=･ω･=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては２つあって、１つは作者が面倒に思ったから。もう１つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - 質問いいですか？なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか？変なこと聞いてごめんなさい！これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2016年4月26日 14時
