291歩目 ページ3
「さてと」
泣き止んだナミに、ルフィ達は任せた。そして、今、私は港にいる。
「追うとするかね…」
桟橋から海に一歩踏み出した瞬間、私の体を海が捉えた。その瞬間、海風が海軍船の位置を教えてくれる。
(ふぅん…この場所は、私たちの味方なんだね…)
なら、何も問題はない。
「絶対に逃がさないよ…！」
軽く足を踏み込んだ瞬間、海面が持ち上がった。どうやら、波に乗せてくれるらしい。
(ありがとう)
大きな波が、点のように見えていた船に向かって私を運んでいく。
「───────！？」
どうやら海軍が背後の異常な光景に気がついたようだった。
「な！なんだ、アレ！？」
「突然、大波だと！？」
「おい、まさか魚人共が裏切ったんじゃないだろうな！！」
運ばれてくる声に、私は怒りのあまり肌が粟立つのがわかった。その怒りが波に伝わったらしい。波はグンと速く、大きくなると、私を海軍船の上に放り上げた。
余波で激しく海軍船が揺れる中、私は慌てふためく海兵たちの中心に降りたった。ダン、と鳴った足音に、海兵たちが一瞬止まる。
「…！？だ、誰だ！？」
「いつからここに！？」
「…。」
ぐるりと海兵たちを一瞥する。誰もが私を見つめていた。
「な、なんだ…ただの女じゃないか…」
「あの島にこんな美人いたか…？」
ニヤニヤと笑って私を取り囲んだ海兵たちが、安堵したように銃を降ろした。耳障りな言葉と目障りな態度に、私は顔をしかめる。
「返しな」
私の声に、海兵たちが黙った。
「ナミの物を返しな」
微かなざわめきの中、１人の男が海兵たちを割ってこちらへ歩いてくる。
「おやおや、お嬢ちゃん。こんなところに何の御用かな？我々は今、盗品を押収したところでねぇ…悪いが、今君のお相手をしている時間はないのだよ。どうしても、というなら、わたしのプライベートな番号をお渡しするが─」
「その臭い口を閉じな、コソ泥野郎」
「臭─」
「聞こえなかったのかい。私は、ナミのものを返せ、と言ってるんだよ」
男はひとつ咳払いをして、私を見た。
「ふむ、どうやらあの島の女泥棒の知り合いのようだが…何か誤解をしているのではないかな？我々は"正義"でもって、あの女の悪事を取り締まっただけで─」
「"海賊"と繋がって甘い蜜を吸ってた海軍が"正義"を語る気かい？笑わせるんじゃないよ」
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りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜！トンカチって書いてましたか…！すぐ修正しときます〜！！ (2018年11月26日 18時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん！読ませていただいてますが、一つ質問？です！322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか？すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか！お返事ありがとうございますｍ(＿ ＿)ｍ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=･ω･=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては２つあって、１つは作者が面倒に思ったから。もう１つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - 質問いいですか？なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか？変なこと聞いてごめんなさい！これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2016年4月26日 14時
