265歩目 ページ26
「お疲れ様」
怪我人の手当も大方終わり、私はサンジとベランダに出ていた。ルフィはまだ眠ったままだ。
(まあ、仕方ないか。こんなに派手にケガするのは久しぶりだろうし)
包帯の巻かれた手を軽く握っては開くを繰り返す。まだ痛みは残っているが、かなり傷は塞がってきたらしい。
「…Aさん、ありがとう」
不意にサンジがそう言った。いつもの調子ではなく、どこか真剣な声音にほんの少し驚く。
「Aさん達がいなかったら、“バラティエ”は守れなかった」
「気にしないでよ。それに、私がしたことなんて大したことじゃない。ルフィとあんただけで、店は守れ─」
「ずっと、コック達を守ってくれてたんだろ」
「…！」
「海賊達が海でうちのコック共に武器を向けるたび、海が邪魔をしてた。Aさんがやってたんだろ？」
「…バラティエのコック達は普段の行いが良かっただけさ」
それはないな、とサンジが隣で笑った。
「帽子っ！！」
突然、部屋から大きな声が上がる。どうやらルフィが起きたらしい。
「あるだろ、そこに」
タバコをくわえ直すと、サンジがちらりと視線だけルフィの方に向けた。
「あ…あった」
「目ェ覚めたかよ」
サンジが、巨大な絆創膏を剥がすルフィに声をかける。
「悪ぃな。ホータイ切らしてんだ、今」
「いらねェよ」
「そうか」
「あいつらは？」
「帰った。お前とAさんのおかげだ」
サンジがフッと笑う。
「“
「へー、お前にか？」
「てめェにだよ！！」
ルフィのあっけらかんとした一言にサンジが怒鳴った。相変わらず、サンジはバラティエに残る気らしい。
「そういえば、私達はこれで雑用卒業ってわけか」
「そうだな！！おっさんも良いって言ってたし！！」
「そうだな、おめでとう」
サンジに微笑みかける。
「あんたと別れるのは、少し名残惜しい気がするよ。色々と親切にしてくれたしね」
「本当かい？なら、このままうちで働くとかどうかな？おれに永久就職でもいいぜ…♡」
「それはごめんだよ」
微笑みを苦笑いに変える。ルフィは起き上がると、サンジの隣に立った。
「ところでおまえ！」
「おれは行かねェぞ。海賊にはならねェ」
あっさりとそう言うと、サンジは笑った。
「ここでコックを続けるよ。クソジジイにおれの腕を認めさせるまで…」
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シンア - コメ返事ありがとうございます。 (2016年3月24日 2時) (
レス) id: cbcf508a8d (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - シンアさん» シンアさん、初めまして！コメントありがとうございます(´∇｀)そう言ってもらえて本当に嬉しいです！これからも頑張りますね！！ (2016年3月23日 23時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 更新楽しみにしてます。 (2016年3月23日 23時) (レス) id: cbcf508a8d (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - みみさん» みみさん、コメントありがとうございます！インフルエンザで出席停止していた間にガンガン更新させていただきました〜wこれからも不定期ではありますが、頑張って更新していきますね！！ (2016年1月23日 15時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - うはー！（≧∇≦）大量更新ありがとうございます☆続きが気になって来ましたー！更新頑張って下さい！ (2016年1月23日 11時) (レス) id: 3e6b0e0f53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2015年6月16日 21時
