142歩目 ページ45
「…起きろ」
ゾロの声にはっと意識が戻る。道を間違えないように、と起きていたつもりがいつの間にか寝ていたらしい。
「よ、起きたか？」
「ウソップ…」
無事に坂道にまで戻れたようだ。おそらく、ウソップがゾロを案内してくれたのだろう。
「あ、A…！」
ナミが私の顔を覗き込んだ。
「全く…あんたってホントにタフなのね。こんなに傷だらけでよく生きてるわ、まったく…」
見た時は死んでると思ったわよ、とナミが苦笑いを浮かべた。
「そうかい…？」
「そうよ」
当たり前だと言わんばかりにナミが肩を竦めた。
「あとで包帯の数とか確認しなくちゃ…」
「いいよ、別に…」
「いいわけないでしょ！」
コツン、とナミの拳が額に落とされる。いて、と呻いた時だった。
「ありがとな！！お前達のお陰だよ。お前達がいなかったら村は守りきれなかった」
ウソップが心から感謝している、と言った様子で笑った。
「何言ってやがんだ。お前が何もしなきゃおれ達は動かなかったぜ」
「おれも」
「私も」
「どうでもいいじゃない、そんなこと。宝が手に入ったんだし♡」
ナミはナミらしい返答だ。嬉しそうににんまりとしているナミに苦笑しているとウソップが口を開いた。
「おれはこの機会に一つ、ハラに決めたことがある」
「ん？」
ウソップと別れ、村に戻った私達は食堂で遅い朝ごはんにありついていた。今回の一件が子どもたちやカヤさんの口から村全体に伝わったらしく、かなり歓待されている。店の自慢だという煮つけの魚を食べながら、目の前のルフィを見つめた。
「…！」
ルフィが口の中に突っ込んでいた手を引っ張り出す。
「ふーっ、とれた！」
ルフィの指には魚の骨がつままれていた。
「バカだな。のどを鍛えねェから魚の骨なんかひっかかるんだ」
「あんたらに言っとくけどね。フツー魚を食べたらこういう形跡が残るもんなのよ」
ナミの皿の上には綺麗に魚の骨と頭、尻尾だけが残っている。自分の皿にはルフィやゾロと同じように何も残っていなかった。どうやらナミの言う"普通"とは私のそれは少し違うらしい。
(まあ、人それぞれだよね、こういうのは)
気にしないことにして皿を重ねた。その隣で、ゾロがぐいとコップに入った酒を飲み干す。
「メシは食った。そろそろ行くか」
「そうだな」
ルフィが魚の骨をくわえて首を縦にふる。
「…ここにいらしたんですね」
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りと(プロフ) - パピコさん» ありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉ大好きと言ってもらえて本当に嬉しいです(^^)まだまだ未熟な文ではありますが、これからも読んでいただけると嬉しいです^o^ (2014年7月22日 19時) (
レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
パピコ - この作品大好きです。これからも応援してます。 (2014年7月22日 18時) (レス) id: 743ef9a041 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミルフさん» 面白いと言っていただけて本当に嬉しいです！少しでも多く、少しでも面白い話を更新出来るように頑張ります！ (2014年6月9日 0時) (レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
ミルフ - 面白かったです！続き楽しみにしているのでがんばってください！ (2014年6月7日 18時) (レス) id: 4078b7ab36 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - キャベツさん» ありがとうございます(^^)そう言って頂けて本当に嬉しいです（≧∇≦）これからも少しでも面白いと思って頂ける様に頑張ります( ´ ▽ ` )ﾉ (2014年5月18日 18時) (レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2014年4月29日 18時
