141歩目 ページ44
「なにボロボロになってんだ、お前」
ゾロが呆れた顔で私の体を支えていた。
「…ゾ、ロ」
ぐい、と体を持ち上げられる。私は口の中に残っていた血を吐いた。
「お前…大丈夫なのか…！？」
ゾロの背に負われていたウソップが、大きく目を見開いてこちらを見下ろす。
「ああ…いきてる」
ゾロがウソップを降ろすと、不意に私の腰に手を回した。
「…戻るぞ」
「…！？ッ…！！」
ゾロがひょいと私を抱え上げた。
「あっ！！」
「うわぁ！」
子どもたちがちょっと顔を赤くして私達を見つめた。俗に言うお姫様抱っこ、という抱え方だ。
「お、ろして…」
「あぁ？どうせ動けねェんだろうが」
「傷は、いずれ…塞がるし…動けるようになる、から…！」
「アァ？ンなら、おれが運んだ方が早ェだろ」
「ウソップ、が…」
「おれは大丈夫だ！歩けるさ」
「だとよ」
ゾロがまっすぐに私を見た。邪念のない目に、なんだかこちらが恥ずかしいことを言っている気がしてくる。
「大人しく運ばれてろ」
そういうなり、ゾロが歩き出した。慌てて服を掴むと、ゾロが私の顔を覗き込む。
「落としゃしねェよ。何ビビってんだ」
「びびって、ない…！慣れてない、だけ…！！」
ぐい、とゾロの顔を押し、視線を逸らさせる。今はなんだか妙に照れくさい。
「しかし、ひでェ傷だな」
「…べつ、に」
「大体無茶し過ぎなんだよ、お前は。何でもかんでも庇おうとすんな」
そう言ったゾロの目が私の額を見つめる。
「顔に傷なんて作らねェ方がいいぞ」
ゾロの言葉にカッと体が熱くなった。
「うるさい、よ…！余計な、お世話だ…！！」
傷がふさがって来たのか、口にせりあがってくる血の量が減った。おかげで少し話しやすい。
「今まで、こんなことは何回も…あったんだ…。今更だっての…！」
動く片手でゾロの頬をつねる。
「バカ」
「人が心配してやってんだろうが！！バカとはなんだ、バカとは！！」
しばらくお互い睨み合って、私はちょっと息をついた。
「…ねえ」
「なんだよ、まだ何か文句あんのか」
「そんなんじゃない…みんな、生きてるか気になった、だけ」
「無事だろ」
「そっ、か…」
「ああ」
そう言ってゾロが私を見る。
「…着いたら起こしてやるから寝とけ。もう起きてんのもきついんだろ」
「ゾロ…」
私はじっとゾロの顔を見つめた。
「ちゃんと、目的地に着くんだろうね？」
「当たり前だ、バカ野郎！！」
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りと(プロフ) - パピコさん» ありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉ大好きと言ってもらえて本当に嬉しいです(^^)まだまだ未熟な文ではありますが、これからも読んでいただけると嬉しいです^o^ (2014年7月22日 19時) (
レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
パピコ - この作品大好きです。これからも応援してます。 (2014年7月22日 18時) (レス) id: 743ef9a041 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミルフさん» 面白いと言っていただけて本当に嬉しいです！少しでも多く、少しでも面白い話を更新出来るように頑張ります！ (2014年6月9日 0時) (レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
ミルフ - 面白かったです！続き楽しみにしているのでがんばってください！ (2014年6月7日 18時) (レス) id: 4078b7ab36 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - キャベツさん» ありがとうございます(^^)そう言って頂けて本当に嬉しいです（≧∇≦）これからも少しでも面白いと思って頂ける様に頑張ります( ´ ▽ ` )ﾉ (2014年5月18日 18時) (レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2014年4月29日 18時
