122歩目 ページ25
「「！！！」」
クロの言葉にゾッとする。たとえ、一度は"仲間"と呼んだ人間に、これほどの冷酷さを示す。その残酷さは、かつて偽船長を仕立て上げた時から変わっていないのだろう。
「「死にたくねェよォーっ！！！」」
海賊達が悲鳴をあげる。
「「５分…」」
シャムとブチの目にも、焦りが浮かんだ。
「あいつらだ！！あいつらさえブッ殺せば！！！おれ達はこの坂道を抜けられるんだ！！！」
坂の下の海賊達が怒号を上げた。
「そうさ！さっきまでおれらが押してた相手だ！！」
「たいして強かねェ！！５秒で切り裂いてやる！！！」
時間は十分にあった。クロがシャムとブチと"遊んで"くれている間に、私の手はもっと固い地質に触れられた。
「ここを通すわけにはいかない」
更に固く、重い籠手だ。だが、速さが落ちるほどのものではない。それに、多少速さが落ちたところで、大した問題ではない。もう二人の癖は、覚えた。
「約束、したからね」
「ゾロ！！」
不意にナミの声が聞こえた。
「刀っ！！」
ナミが刀を蹴り飛ばした。ゾロの刀がこちらに飛んでくる。
「てめェは…！！おれの刀まで足蹴に…！！」
そう言いながらも、ゾロはしっかりと刀を掴んだ。
「…お礼は？」
ナミが不敵に笑った。
「あァ…ありがとう！！」
これでゾロの三刀流が復活した。これなら、いける。
「ゾロ、これで決めるよ」
ゾロの隣に立ち、拳を敵に向けた。
「もう掴んでんだろう？」
私の一言と同時に二人が襲いかかってくる。
「シャアアーッ！！」
「無駄だ無駄だ！！両手に何つけようが、刀３本使ってようが実力は同じだ！！」
ゆっくりと息を吐く。
「…わかってねェな」
ぐっと姿勢を低くする。
「"刀３本使うこと"と"三刀流"とじゃ意味が違う」
ゾロが刀を抜いた。
「「シャアアアアーッ！！！」」
あと少し、ほんのコンマ数秒だ。そこに僅かな"隙"がある。
「虎…」
(ここだ…！！)
地面を蹴り、シャムの懐に飛び込んだ。
「狩り！！！｣
「終わりだ…！！」
ズッ、と拳が相手の鳩尾に入る感覚があった。ほんの一瞬遅れて、肋骨を砕いた感触が拳に伝わる。
「ゴブッ…！！」
シャムの口から赤いものが吐かれた。
「…寝てろ」
拳を振りぬくと、シャムの体は坂の下に向かって飛んだ。ほぼ同時に、ブチの体も吹き飛ばされるのが見える。
「悪いけど、こっちも負けられない事情があるんだ」
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りと(プロフ) - パピコさん» ありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉ大好きと言ってもらえて本当に嬉しいです(^^)まだまだ未熟な文ではありますが、これからも読んでいただけると嬉しいです^o^ (2014年7月22日 19時) (
レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
パピコ - この作品大好きです。これからも応援してます。 (2014年7月22日 18時) (レス) id: 743ef9a041 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミルフさん» 面白いと言っていただけて本当に嬉しいです！少しでも多く、少しでも面白い話を更新出来るように頑張ります！ (2014年6月9日 0時) (レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
ミルフ - 面白かったです！続き楽しみにしているのでがんばってください！ (2014年6月7日 18時) (レス) id: 4078b7ab36 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - キャベツさん» ありがとうございます(^^)そう言って頂けて本当に嬉しいです（≧∇≦）これからも少しでも面白いと思って頂ける様に頑張ります( ´ ▽ ` )ﾉ (2014年5月18日 18時) (レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2014年4月29日 18時
