119歩目 ページ22
「…おい！！」
ウソップの声にはっとする。ふと視界の端にオレンジ色の髪が見えた。
(ナミ…！？)
シャムとブチに向き合う私達の横を、ナミが駆け抜けていく。その先には、先ほどシャムが投げ捨てたゾロの刀が転がっていた。
「これさえ渡せば！！」
ナミの声が微かに聞こえる。どうやら、ナミはゾロの刀をとってくるつもりらしい。
(無茶…と言いたいところだけど、今は助かる…！！)
もしナミが無事にゾロに刀を返してくれれば、戦況が一気にひっくり返る可能性がある。シャムとブチを押さえるので精一杯な今、ナミの行動は有難い。
「…あ！！」
「きゃあ！？」
ウソップとナミの叫び声が聞こえる。何が起きたのか、と強くシャムの攻撃を弾き上げると、一瞬肩を押さえてうずくまるナミの姿が見えた。その肩には赤いものがにじんでいる。
(…！ジャンゴ…！)
そうだ、今この場にいる相手戦力は目の前の二人だけではない。ジャンゴがまだ坂の下にいた。
「野郎ォ！！！」
ウソップがそう怒鳴った瞬間、ピタリとシャムとブチの動きが止まった。
「…うわ…」
「あう…」
それまで余裕の笑みを浮かべていた2人の顔色が、みるみる青くなっていく。坂の下を見れば、意識のある海賊達も皆同じような表情を浮かべていた。
「もうとうに夜は明けきっているのになかなか計画が進まねェと思ったら…」
聞き覚えのある声にはっと後ろを振り返る。
「何だ、このザマはァ！！」
クラハドール、否、キャプテン・クロがそこにいた。坂の下の海賊達を見下ろす絶対零度の視線を浴びて、クロネコ海賊団はすっかり委縮していた。
「まさかこんなガキ共に足留めくってるとは…クロネコ海賊団も落ちたもんだな」
クロの顔には怒りと失望の混ざった表情が浮かんでいる。
「えェ！！？ジャンゴ！！！」
怒鳴り声と共に殺気が飛ぶ。思わず鳥肌が立つほどの強いそれに、私も一瞬息を呑んだ。
「だ…だがよ！！」
ジャンゴが怯えた表情で叫ぶ。
「あんた、あの時その小僧達は放っといても問題ねェって…そう言ったじゃねェかよ！！」
「ああ、言ったな…」
クロが静かに呟く。
「言ったがどうした…！！問題はないはずだ。こいつらがおれ達に立ち向かって来ることくらい容易に予想できていた」
クロが淡々と言い放った。
「ただ、てめェらの"軟弱さ"は計算外だ。言い訳は聞く気はない」
「「！！」」
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りと(プロフ) - パピコさん» ありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉ大好きと言ってもらえて本当に嬉しいです(^^)まだまだ未熟な文ではありますが、これからも読んでいただけると嬉しいです^o^ (2014年7月22日 19時) (
レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
パピコ - この作品大好きです。これからも応援してます。 (2014年7月22日 18時) (レス) id: 743ef9a041 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミルフさん» 面白いと言っていただけて本当に嬉しいです！少しでも多く、少しでも面白い話を更新出来るように頑張ります！ (2014年6月9日 0時) (レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
ミルフ - 面白かったです！続き楽しみにしているのでがんばってください！ (2014年6月7日 18時) (レス) id: 4078b7ab36 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - キャベツさん» ありがとうございます(^^)そう言って頂けて本当に嬉しいです（≧∇≦）これからも少しでも面白いと思って頂ける様に頑張ります( ´ ▽ ` )ﾉ (2014年5月18日 18時) (レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2014年4月29日 18時
