115歩目 ページ18
「今更何が飛び出すんだ…！？」
ここまで来たら、切り札だと考えるのが妥当だろう。私はじっと船に視線を注いだ。
「下りて来いっ！！！ "ニャーバン・
ジャンゴが船に向かって誰かを呼んだ。
すると、船の上に二人の人影が見えた。何か話しているようだがよく聞こえない。
「ま、そりゃ行くけどもっ！！」
その声と共に、船から二人の男が飛び出してきた。かなりの高さから飛び降りたのに、難なく着地している。それに、着地の時の音がほとんどしなかった。身体能力が高い人間であるのは間違いない。
「…何あれ？」
「すげェ…あの高さから着地した…！！猫みてェだ！」
「…！」
間違いなく厄介な敵だ。私は大きくため息をついた。
「そ…そんなムリッすよォ！！ぼくたちにはなァ、ブチ！！」
坂の下から声が聞こえた。
「ああ！あいつら強そうだぜ、まじで！！」
二人ともびびっているように見える。あれだけの身体能力がありながら、臆病なんてことがあるのだろうか。嫌だ嫌だと首を横に振る2人に、私は思わず眉をひそめていた。
「あ？」
「な…何だ、あいつら切り札じゃなかったのか！？」
「…完全にびびってる…！！」
演技かもしれない。確信はないが、油断は禁物だ。些細な挙動の怪しさも見逃さないために、私はじっと二人を見つめた。
「大体、ぼくらはただの船の番人なんだから」
「そうそう！こんな戦いの場に駆り出されても」
「シャム！！さっさと行かねェか！！！」
ジャンゴに追い立てられるように細身な男がこちらを向く。
「え！？ぼくですかァ！！？」
「急げ！！」
「わかりましたよ、行きますよっ！！」
油断すべきでないと思いつつも、なんだか拍子抜けしてしまう。半べそをかいて、シャムと言われた男がこちらに駆け上がってきた。
「べそかいちゃった…！どういうつもり！？あんな奴戦わせるなんて！」
ぐっと拳を構える。
「おいお前ら、覚悟しろーっ！！このカギヅメでひっカクぞー！！」
ドタドタと走ってくるシャムを見つめた。さっきの身体能力であんなに足が遅いはずない。
「あれをおれにどうしろっつうんだよ…！！」
「油断するんじゃないよ。最初の動きを忘れるな」
そう言って、サンダルを脱ぎ捨て坂の上に放り投げる。今は少し邪魔だ。
「…お前っ！！止まらねェと斬るぞっ！！」
シャムがニヤリと笑う。
「斬れるもんならな…！」
「！！？なに…！」
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りと(プロフ) - パピコさん» ありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉ大好きと言ってもらえて本当に嬉しいです(^^)まだまだ未熟な文ではありますが、これからも読んでいただけると嬉しいです^o^ (2014年7月22日 19時) (
レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
パピコ - この作品大好きです。これからも応援してます。 (2014年7月22日 18時) (レス) id: 743ef9a041 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミルフさん» 面白いと言っていただけて本当に嬉しいです！少しでも多く、少しでも面白い話を更新出来るように頑張ります！ (2014年6月9日 0時) (レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
ミルフ - 面白かったです！続き楽しみにしているのでがんばってください！ (2014年6月7日 18時) (レス) id: 4078b7ab36 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - キャベツさん» ありがとうございます(^^)そう言って頂けて本当に嬉しいです（≧∇≦）これからも少しでも面白いと思って頂ける様に頑張ります( ´ ▽ ` )ﾉ (2014年5月18日 18時) (レス) id: ae23440109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2014年4月29日 18時
