786歩目【Side.ロビン】 ページ45
静かだ、と思った。炎の燃える音、微かに吹き込んでくる隙間風の音。今はそれ以外は何も聞こえない。
ロ「…」
能力で着地を成功させたは良いが、今この場所が迷路のどのあたりに位置しているかまではわからない。それに、ミラが今どのあたりにいるのかすらわからない。
ロ(情報が少なすぎるわ…)
私は目を閉じると、軽く両手を組んだ。
ロ「"
ふわりと花の香りが広がるとともに、閉じた目に咲かせた目の見た世界が映る。青い光のせいでどこか不気味な迷路。その向こうに、人影が見えた。
ロ(見つけた…！)
咲かせた目でその人影を追いかける。切りそろえられた赤い髪が揺れるのを見た瞬間、私は能力を発動させた。
ロ「"
捕えた。そう思った瞬間だった。
ミ「"正解、この私は本物"！！」
楽し気にミラの声があがる。その瞬間、強烈な光と熱を感じた。
ロ「なっ！！？」
爆音が響く。咄嗟に能力は解除したが、腕は焼けるように熱く、目は強烈な光にあてられて上手く使えない。思わず目を押さえ、私はその場にうずくまった。
ミ「あなたも"能力を持たない"人間なのね。なら、私、もっと"手を抜かなくちゃ"…」
ミラは意図的に嘘をついて話をしている。彼女もこの場所においては、"全てが嘘になる"という制約を受けているということだろう。
ロ(とはいえ、彼女だってこの能力については使いこなせているはず)
ようやく視力が戻って来たときだった。
ミ「私、"一人きり"だから、あなたは"私を見つけられる"わね」
しまった、そう思った瞬間、一気に人の気配が増えた。
ウ「なっ！？何が起こってんだ！！？」
頭上で長鼻くんが驚きの声をあげた。すぐにその声に事態を察する。今、彼女は"一人きり"ではなくなった。
ロ「っ…"
もう一度咲かせた目に飛び込んできたのは、迷路のいたるところにいる赤い髪の女の姿だった。一見すれば、どの女たちも全く同じ姿に見える。
ロ(さっきの言葉で、彼女は分身したって事？)
ミ「あら、あなた、そこにいたの？」
ロ「っ！」
目を開けた瞬間、こちらに向かってくる女の姿が見えた。その手に光る刃物に、両手を構える。
ミ「あら、そこにいた」
ロ「えっ！？」
背後からの声に振り返ると、刃物を持った赤髪の女が立っている。
チ「ロビン、"危ない"！！」
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りと(プロフ) - みずいさん» みずいさん、コメントありがとうございます！お返事が遅くなり、申し訳ありません<(_ _)>そう言っていただけて嬉しいです！今後も不定期の更新になりますが、楽しんでいただければ幸いです♡(*´･ω･) (2022年5月31日 22時) (
レス) @page43 id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
みずい(プロフ) - オリジナル長編が面白すぎる…！！更新楽しみにしています！ (2022年5月22日 0時) (レス) id: 8876da800a (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - そのかさん» そのかさん、コメントありがとうございます！そういっていただけて、とても更新の励みになります！あまりにものんびりとした更新ではありますが、これからも気長にお楽しみいただければと思いますm(__)m (2022年3月27日 1時) (レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
そのか(プロフ) - すごく面白くて好きです！次の更新楽しみにしてます！ (2022年3月22日 11時) (レス) @page30 id: 35e12bb70c (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 黒砂糖パフェさん» 黒砂糖パフェさん、ありがとうございます！そう言っていただけて、とても嬉しいです！のんびりとした更新ですが、これからも読んでいただければ幸いですm(__)m (2022年2月2日 2時) (レス) @page21 id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2021年12月26日 18時
