743歩目 ページ2
ウ「よーし、5匹目だ！！」
ウソップが釣り針に引っかかった魚を甲板のバケツの中に放り込んだ。すでに20匹以上は入っている。かくいう私も4匹は魚を釣っていた。
空島から青海に無事に戻ってきてから、すでに数日が経っていた。シーモンキーが大波に乗ってきた以外は、航海はいたって順調だ。ルフィがよく食べるのは変わらないが、食糧難という状況にはまだ陥っていない。この海域ではよく魚が釣れる。
『こんなに釣れるってなかなか珍しいな…』
びちびちと跳ねる魚がどう料理されるのかを楽しみにしていると、不意に日差しが陰った。
『ん…？』
雨が来るかな、と空を見上げると、白い靄がかかり始めている。霧になるか、と船室に顔を向けた。
『ナミ！！霧だ！！』
ナ「え？」
船室から顔を出したナミが怪訝そうな顔をした。
ナ「なに、この霧…」
一分も経たないうちに、靄は濃い霧に変わっていた。今はもう10m先すら見えない。太陽の位置がギリギリわかるくらいなもので、周囲に岩礁があっても対応は間に合わないだろう。
ナ「一度、船を停めましょう！霧が晴れるか、対策を考えるまでは動かない方がいいわ！」
「『おう！！』」
寝ているゾロを叩き起こし、船室にいたサンジたちも外に出てきた。錨を降ろす準備に途端に甲板が騒がしくなる。メインマストの帆を畳み、その綱を結わえようとした時だった。
(…あれ？)
一瞬、手元がぼやけた気がする。気のせいかと思いながら、私はまた綱を結う作業に戻った。しかし、手元のぼやけはどんどんひどくなってくる。
(なに…この感覚……)
なんとか綱を結び終え、私はマストから降りようと下を見た。
『え…』
ナミが船室前の柵に倒れかかっているのが見えた。さらに、何かが倒れる音がする。そちらを見れば、船の周囲を偵察していたチョッパーとウソップが倒れていた。
『み……んな……』
今にも消えそうな意識を、唇をかみしめて耐える。なんとかマストを降り、私はルフィ達を探した。
『なに、か……起き…て…』
急な濃霧で、みんな少なからず気を引き締めていたはずだ。私だってうっかり座礁したりしないかと多少心配しながら作業をしていた。少なくとも、眠いとはちっとも思っていなかった。
(なのに、なんなの…この眠気は…？)
船底に繋がるドアを開こうと、ノブに手をかけた。
『ル、フィ…』
ドアを開くより先に、瞼を上げる事すら難しいほどの睡魔が私の意識を奪った。
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りと(プロフ) - みずいさん» みずいさん、コメントありがとうございます！お返事が遅くなり、申し訳ありません<(_ _)>そう言っていただけて嬉しいです！今後も不定期の更新になりますが、楽しんでいただければ幸いです♡(*´･ω･) (2022年5月31日 22時) (
レス) @page43 id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
みずい(プロフ) - オリジナル長編が面白すぎる…！！更新楽しみにしています！ (2022年5月22日 0時) (レス) id: 8876da800a (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - そのかさん» そのかさん、コメントありがとうございます！そういっていただけて、とても更新の励みになります！あまりにものんびりとした更新ではありますが、これからも気長にお楽しみいただければと思いますm(__)m (2022年3月27日 1時) (レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
そのか(プロフ) - すごく面白くて好きです！次の更新楽しみにしてます！ (2022年3月22日 11時) (レス) @page30 id: 35e12bb70c (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 黒砂糖パフェさん» 黒砂糖パフェさん、ありがとうございます！そう言っていただけて、とても嬉しいです！のんびりとした更新ですが、これからも読んでいただければ幸いですm(__)m (2022年2月2日 2時) (レス) @page21 id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2021年12月26日 18時
