私はお前と海へ出る14(空島編前編) (ページ18)

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『何がどうなってんだい！！！』

ナ「こっちが聞きたいくらいよ！！！」

　後ろからドカドカと付きまとってくるアリの群れから逃げ回りながら、ナミの体を掴む。

ナ「え、何！？」

『いったん撒くよ！！』

　そう言って、私は思いっきり地面を蹴った。

ナ「えっ！！きゃああああああああ！！？」

『黙ってな、舌噛むよ！！』

　木の上に飛びあがった瞬間、鳥がいることに気が付いた。

(こいつは…！！)

　クリケットの家にあった金の像と同じ姿をしている。

『いた！！』

「じょ～～～～～！！！」

　サウスバードに向かって手を伸ばした瞬間、木が倒されそうなほど揺らされた。

『うわッ！？』

ナ「A！！アリが！！」

『あァ！！？』

　下を見ると、私たちのいる木を中心にアリたちが集まり始めていた。

ナ「の、登ってくる！！」

『ッ！！』

　飛び去ってしまったサウスバードに舌打ちして、私は隣の木の枝に飛び移った。とにかく逃げなければ、と木の枝に飛び移る。必死で逃げているうちに、少し開けた場所に出た。

『あっ！』

サ「うおっ！！」

ゾ「おあ！？」

ル「おお！！」

　全員がどうやら同じ場所に出たらしい。

『だめだ…』

　私は小さく首を横に振った。

ゾ「姿すら一羽も確認できなかった…」

ル「おれ達は見たんだけどよ、虫だらけで鳥どころじゃねェんだよ」

チ「走ってばっか…」

『私達もだ。あと少しだったんだんだが…』

ウ「参ったな、８人いてゼロだと！？しっかりしろ、おめェら！！」

サ「てめェもだろ…」

ナ「私、もうこれ以上追いかけられるのは嫌！！」

　網はアリに追われているうちに壊れてしまったし、この様子じゃあ…と空を見上げる。夜明けにはまだ時間があるが、これ以上の疲弊はさけたいところだ。

─じょ～～～～

ウ「あ！！」

　サウスバードがこちらを見下ろしている。

チ「…『お前らなんかに捕まるか、バーカ』って」

　チョッパーの通訳してくれた言葉に、ちょっと顔をしかめる。

ル「何を！！？わざわざそれを言いに出てきやがったのか！！？」

ウ「撃ち落としてやる！！！」

　パチンコを構えたウソップのそばで、不意にロビンが両腕を交差させた。

「じょ…？」

　サウスバードの体から、すらりとした腕が伸びる。と、その腕がサウスバードの体を固め、下へと投げ落とした。

チ「あ…」

ロ「姿さえ見えれば…」

こうして実にあっけなくサウスバードは捕まった。