私はお前と海へ出る14(空島編前編) (ページ2)

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「『！！』」

　入ってきた顔には、明らかに見覚えがあった。

「「？？」」

　私の背後でウソップとチョッパーが悲鳴をあげる。

ウ「うわ～～～～！！おれ達を殺しに来やがったァ！！！」

チ「ギャ～～～～～！！」

　悲鳴を上げる二人に、ようやく向こうの二人も事態を飲み込んだのかはっとした顔をした後、私たちをギロリと睨んだ。

マ「おめェらここで何してんだァ！！！」

？「おやっさんに何をしたァ！！」

　ウソップ達がドタバタとする音と、ぎゃあぎゃあと騒ぐマシラ達に部屋は途端に騒がしくなった。

ル「なんだお前ら。今、このおっさんを看病してんだからどっか行けよ」

ウ「バカ！！まともに話なんか聞いてくれるか！！相手は野生なんだぞ！！窓から全員避難せよ！！」

『落ち着きな…』

ウ「落ち着いてられるか！！」

　ぎゃあぎゃあと騒いでいたマシラ達がふっと黙る。いよいよケンカか…と拳を握ると、途端にマシラ達の目に涙が浮かんだ。

(ん？)

マ・？「「いい～～～～奴らだなあ…」」

ウ・チ「「聞ィてるよっ！！」」

　走り回った勢いのまま、二人はガラガラと棚に突っ込んだ。ガシャアン、と音を立てて落ちた皿を見て小さくため息をつく。

ル「お前らもここに住んでんのか？」

　ルフィが尋ねると、マシラともう一人が涙を拭ってこちらを向いた。

マ「まァ、このおっさんの家が、『猿山連合軍』の本拠地ではあるんだが…大概はてめェらの船で寝泊まりだ」

？「おれ達にこの家は小さすぎるからな」

　そう言って、二人はウォッホッホと豪快な笑い声をあげた。確かにこの体躯では、この家は狭いだろう。そうだ、とマシラではないもう一人を見やる。

『あんたの名前、聞いてなかったね。私はAだ。あんたは？』

シ「ん？そういや言ってなかったなァ…おれァショウジョウだ」

　そう名乗って軽く握手を交わすと、ショウジョウは私に興味がさほどないのかルフィの方へ行ってしまった。

ウ「なんであいつら物凄い打ち解けてんだ…？」

サ「通じるモンがあんだろうよ」

　笑い声をあげて談笑している3人は、さっきまで喧嘩していた連中同士だとは思えない。昨日の敵は今日の友…なんていうが、ここまであっさりと和解するとは…と素直に感心してしまう。
　そんなことを思っていると、玄関からチョッパーが顔を出した。

チ「ルフィ！！気が付いたぞ！！」