私はお前と海へ出る14(空島編前編) (ページ24)

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ベラミーが跳ね上がった瞬間、塔が崩れた。

(無茶苦茶なことを…)

　騒ぎを嗅ぎつけ、外に出てきた野次馬達が降ってくる瓦礫から逃げていく。と、跳んだベラミーと目が合った。ニヤリ、と不敵な笑みを浮かべる。

ベ「…一瞬で片付けてやる。次はてめぇだぜ」

　私の立つ塔の壁に跳んできたベラミーがそう呟くと、落ちていく塔の屋根にいるルフィに狙いを定めた。

ベ「『スプリング狙撃(スナイプ)』！！！」

　ベラミーが真っ直ぐにルフィに向かって跳んでいく。

ル「…！！」

　跳んできたベラミーをかわしたルフィは、真っ直ぐに野次馬達の方へと跳んだ。悲鳴をあげて野次馬達がルフィから逃げ出す。

『…』

　塔の上からひょいと下へ飛び下り、酒屋の空き樽の上に腰を下ろした。ここからならルフィとベラミー、どちらの姿もよく見える。瓦礫から跳ねたベラミーがまたルフィに狙いを定めるように目を細めた。

『…』

　土煙の上がる中でルフィが立ち上がる。その姿にまた野次馬達が小さな悲鳴をあげた。

(昼間とは随分と違う扱いだな…)

　怯え切った表情でルフィを囲む野次馬達に軽く首を傾げる。と、不意にドドド…と妙な音が聞こえた。

『…！』

　顔を上げると、ベラミーがあちこちの壁に跳ね返っている。

ベ「『スプリング跳人(ホッパー)』！！！」

　野次馬達はベラミーの速さを追いきれていないのか、どよどよとざわめいている。

(なるほど、バネで跳躍し続けることで速さを上げているわけ…)

　より速さを上げれば、より力も上がる。同じ人間の放つ一打でも、速い一打の方がダメージは大きい。この技はそれを利用しているらしい。

ベ「『友達』だって！！？ハハッハハハ！！」

ベラミーが跳ね回りながら嘲笑する。

ベ「そういやあのジジイや大猿共も…おめェらと同類だな！！400年前の先祖のホラを信じ続ける生粋のバカ一族だ！！」

　ベラミーの言葉にルフィの顔に険しさが増した。

ベ「何が『黄金郷』！！？何が『空島』！！？夢見る時代は終わったんだ、海賊の恥さらし共！！！」

ゆっくりとルフィが片手をあげる。パキパキ…と指が鳴った。

ル「パンチの打ち方を知ってるかって……？」

　ルフィが拳を握った。

「やっちまえ、ベラミー！！そんなアホ共にゃ現実を生きる資格もねェのさ！！」

溢れる嘲笑の中で、ベラミーがルフィに狙いを定める。

ベ「あばよ！！！」

　ベラミーがルフィに真っ直ぐに跳んだ。

─ドン！！！！