508歩目 ページ26
「…。」
人気のない建物の屋上で、私はただぼんやりと砂に覆われた町を見ていた。みんなはもう部屋に入って寝てしまったころだろうか。さっきまで砂嵐で曇って見えなかった空は、今はむなしくなるくらいに澄み渡っていた。嫌になるくらいに綺麗な星空が頭の上一面に広がっている。
「…。」
乾いた空気を胸いっぱいに吸い込んで吐き出した。昼間歩き続けて疲れてはいるのだが、なんだか胸がざわついて眠れない。
─反乱はきっと止めるから！
そういったビビの笑顔が頭から離れない。
「ッ…クソッ…」
意味のない罵倒を空に向かって吐き出した。怒りを向ける先がわからない。そりゃクロコダイルには怒ってるが、それ以外にも何か、よくわからない何かにひどくむしゃくしゃする。
「あ゛ァ…」
唸り声ともため息ともつかぬ声がのどから洩れる。
「…。」
ふと、トトさんの掘っていた穴のことを思い出した。あの場所では微かだが、水の"気配"がした。
「むしゃくしゃするときは…体を動かすに限る…」
昔、シャンクスの船にいたとき、教わったことだ。考えたって埒の開かない問題を抱えたときは、とにかく動いてエネルギーを発散させればいい。
私は静かに立ち上がると、例の穴の方に向かって飛んだ。
「…！…よっこらしょ…！！」
やってみると意外と重労働だ。
「…！！」
置きっぱなしになっていたスコップ片手に私は砂を掘っていた。ただひたすら掘っていたせいか、穴の規模がかなり大きくなってしまっている。
「…もうすぐ、か…？」
ざくざくと砂を掘り進めているうちに、砂が湿っている層にぶち当たった。"気配"も近い。スコップを砂の層に突き立て掘りあげた瞬間、じわりと水が溢れた。
「…！やった…！！」
私は少しガッツポーズをして、砂まみれの顔を軽く服で拭いた。あと少しで水脈にぶち当たる。またスコップを握りなおした。さらに掘り進めると、水は足首まで水位を上げていた。
「よし…！」
ひたすら、広く深く掘り進めているうちに水の水位は上がり、いつしか小規模な池のようなものが出来上がっていた。
「これで宿代くらいには…なるか…な…」
大きくあくびをして、池のふちにスコップを突き立てる。もう眠くて仕方がない。私は砂にまみれるのも気にせずに、砂の上にごろりと寝そべった。
目を閉じた瞬間、私は引きずり込まれるように眠りに落ちた。
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りと(プロフ) - 森田菜々子さん» こちらこそご意思に添えずすみません……ケーキは有難く受け取ります…！森田さんの作品、今度読んでみますね…m(_ _)m (2018年8月24日 21時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - こちらこそすいません；その代わり最新頑張ってくださいね。コメントだけどケーキでどうぞ。 (2018年8月24日 21時) (レス) id: 9b1c982b1b (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 森田菜々子さん» またミルルというキャラは森田さん自身の作品のキャラなのですね。これは私の持論なのですが、夢主の性格を1番にわかっているのは作者、だと考えています。私が下手な恋愛小説を書くよりも、1番にキャラを理解している貴方の方が魅力的な作品に仕上がるはずです… (2018年8月23日 20時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 森田菜々子さん» キツく聞こえるかも知れませんが、ご理解の程をよろしくお願いします。今回のご依頼は、長編の趣旨、私の意思に反します。そのため、お受けすることは出来かねます。申し訳ありません。 (2018年8月23日 20時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 森田菜々子さん» 森田さん、初めまして。まず結論から申し上げますと、お受けできません。理由としては、私がケロロ軍曹シリーズを嗜んでいないこと、多ジャンル混合の作品は嫌いであること、ミルルというキャラの設定等の元ネタを知らないことが理由です。(続く) (2018年8月23日 20時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2018年6月24日 20時
