495歩目 ページ13
「しかしこの国のジュゴンは変わってんなァ、ビビちゃん。河に住んでた」
「……ううん、海よ」
「？」
ビビの顔が曇る。
「……太古の昔からこの国をずっと潤してきた大いなる河"サンドラ"も、近年ではかつての勢いを失って下流に海の浸食を受けてるの」
「…じゃあ、さっきのジュゴンがいたあたりの河の水は…」
「海水よ。飲み水にも畑にも使えない水」
「それで枯れたのか？この町は…」
ゾロの言葉に枯れ切った町を見つめる。微かに残った植物の残滓も枯れ切っていて、死んでいた。
「…いいえ」
ビビが横に首を振る。
「まれに降る雨水を確実に蓄えることで町は何とか保っていたわ。つい最近まではこの辺りは緑いっぱいの活気ある町だった」
「ここがねェ…」
人の気配一つない。足元は砂ばかりで緑の面影はない。砂に飲み込まれかけている町は、ずっと前にさびれてしまったようにダメージを受けている。
「だけど…ここ３年、この国のあらゆる土地では一滴の雨さえ降らなくなってしまった…」
足元に転がっている白いものに目がいった。人の頭蓋骨だった。ここで乾いて死んだか、乾きに伴う事故で死んだか、風と砂に晒されたそれは街の悲劇を伝えている。
「…。」
そっとその人骨を埋めなおし、手を合わせた。
「さっきの港町は大丈夫だったのか？」
「"ナノハナ"は隣町の"カトレア"というオアシスから水を供給してるから無事なの」
あちこちに点在する墓を見つめる。多くの人が亡くなったのだろう。
「降雨ゼロなんてアラバスタでも過去数年あり得なかった大事件…だけど、そんな中、１か所だけいつもより多く雨が降る土地があったの」
ビビはぽつりぽつりと話しながら歩いていく。
「それが首都"アルバーナ"。王の住む宮殿のある町。ひとびとはそれを"王の奇跡"とよんだ」
そこまで言って、ビビはうつむいた。
「あの日、事件が起きるまではね…」
２年前、巨大な積み荷をひく馬車が通っていた。その荷馬車の一つが倒れたとき、中から大量の緑色の粉が落ちた。積み荷を引いた男たちは"コブラ王"の命令で運搬していると話して立ち去った。
が、その粉の中身が問題だった。
「大量のダンスパウダーだったのよ…」
「ダンスパウダーが…！？」
ナミが僅かに眉をひそめた。
「ナミ、知ってるのかい？」
ナミが小さく頷く。が、その顔は暗かった。
「…別名は、"雨を呼ぶ粉"」
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りと(プロフ) - 森田菜々子さん» こちらこそご意思に添えずすみません……ケーキは有難く受け取ります…！森田さんの作品、今度読んでみますね…m(_ _)m (2018年8月24日 21時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - こちらこそすいません；その代わり最新頑張ってくださいね。コメントだけどケーキでどうぞ。 (2018年8月24日 21時) (レス) id: 9b1c982b1b (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 森田菜々子さん» またミルルというキャラは森田さん自身の作品のキャラなのですね。これは私の持論なのですが、夢主の性格を1番にわかっているのは作者、だと考えています。私が下手な恋愛小説を書くよりも、1番にキャラを理解している貴方の方が魅力的な作品に仕上がるはずです… (2018年8月23日 20時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 森田菜々子さん» キツく聞こえるかも知れませんが、ご理解の程をよろしくお願いします。今回のご依頼は、長編の趣旨、私の意思に反します。そのため、お受けすることは出来かねます。申し訳ありません。 (2018年8月23日 20時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 森田菜々子さん» 森田さん、初めまして。まず結論から申し上げますと、お受けできません。理由としては、私がケロロ軍曹シリーズを嗜んでいないこと、多ジャンル混合の作品は嫌いであること、ミルルというキャラの設定等の元ネタを知らないことが理由です。(続く) (2018年8月23日 20時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2018年6月24日 20時
