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「ワタシがどうして研究職に就かなかったのか？ うーん、そうだねぇ……。 キミ達と出会う為、とか言えば面白いかい？ あはは、残念ながら特別理由なんてないさ。 ただ、そういった運命だったからそうなっただけ。 素晴らしい志があったワケでも、とりわけ熱意があったワケでもないーーなんて言えばきっとキミは苦い顔をするだろうね。 でもね、人生なんてそんなモノだよ。 少なくともワタシの人生はそんなモノなのさ」
「好きなコがいるから、ワタシに相談に？ へぇ、ワタシに相談して何か解決できると思ったのかい？ ……ふふ、あまりにも青春を感じたから少し意地悪をしたくなってね。 まぁ、そういった話は嫌いじゃないよ。 折角だから、一つワタシから有難い言葉をあげよう。 キミは、そのコの為に命を賭けれるかい？ ……さぁ、勇気をもって行きな」
「ワタシが誰かと付き合わないのか？ ……別に付き合って欲しいなら付き合ってもいいよ。 キミにそれ相応の覚悟があるなら、ね。 あはは、少し揶揄いたくなっただけだよ。 今のトコ、ワタシは自分の為に時間を注ぎたいからねぇ。 余程の物好きか、馬鹿か、阿保くらいしかワタシのことなんざ気に入らないだろう。 寂しい事言わせるんじゃないよ。 ささ、散りな」
「あまりワタシに期待し過ぎない方が良い。 きっと、裏切ることになるからね。 キミはワタシの事なんて気にせずに前を向き続けた方が良い人生が送れるさ。 ……ふふ、ワタシがこんな事を言うのは意外だったかい？ ただの忠告さ。 なんとなく、言うべきだって思ったからね」
「好きだとか愛しているだとか、簡単に言うんじゃないよ。 アンタは……ワタシを何もわかっちゃいない。 後から後悔したなんて言われたくないからね。 ワタシは……誰でも彼でもヒトを喰べるワケではないが、誰も喰べないとも言っていない。 いいかい、ワタシはそういう奴なんだよ。 愛し愛されたヒト、ワタシを受け入れてくれたヒト、最愛のヒトを喰す……そういうニンゲンなんだよ」
「ワタシは結局、いいヒトでも無ければ、善良な研究者でも先生様でもない。 全部自分の為なんだよ。 自分の為のついでに誰かを救えるなら、それに越した事は無いが、根本は利己的で哀れなニンゲンに過ぎない。 ……期待に沿えなくて申し訳ないね」
「十字架を背負って、ワタシは生き続けている。 今も、これからもずっと。 その覚悟が、罪悪がキミには理解できるかい」
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