青峰家の兄として転生したは良いけど色々手遅れだった件について【黒子のバスケ】

じゅうきゅう（全中描写） ページ25

ひゅっ、と喉の奥が乾いて酸素が上手く取り込めない


「虹村！！」

「ッス！！」


中学校バスケットボール全国大会決勝

帝光中学校は【百戦錬磨】というポリシーを掲げこの決勝をいつも通りに戦った




《シュッ！》


《バシッ！》


『っ、な、…！？』

「嘘だろ…虹村が“また”止められた！？」


相手が強かったのは百も承知だが

帝光中の強さに1歩及ばない、筈だった

だが予想よりも相手の強さが上回り


「はぁ、はぁ…くっ、そっ、はぁー」

虹村の、スコアラーの不調がこの試合中に目立ち

スコア
82ー52

帝光中が相手にリードを許す形で第３クオーター後半をむかえるという前代未聞が起きていた

「虹村…」

「すみません先輩、クソッ、なんでっ」

全中決勝、これまで部に貢献してくれていた3年生の先輩達の最後の試合

「勝利」を献上すると2年と1年の間で決め
死ぬほど努力してきた


「そんな主将が」

「ありえないのだよ…」


(俺だって…この時の全中は知らないからどんな事が起きたのかは予測不可能だったけど)


『修造』


荒く息を吐き出す自分の相棒は焦り、焦燥、何よりも

(後輩にみっともない姿を見せているという失態)

いくらあの虹村でもこの状況はかなり精神面にきていた
それが虹村の不調を助長させている

(コーチは…選手交代って顔してる、)


『先輩、修造。一旦T.O取りましょう』


まだ2回残っているT.Oをとる決断をした明輝
虹村は「すまねえ」と消えそうな声で言った


T.Oの合図ベンチに戻る

コーチ「虹村、せんしゅ、」

『待ってくださいコーチ』

コーチ「どうした青峰」

俺は最後までコーチの言葉を言わせなかった


(これは先輩の意地、だろ)


『修造を、虹村をまだ下げないでください』

コーチ「…だが、このままでは…」

『負けたら、なんて言いたくないですけどもしこの試合みっともない結果を残す事があればそれは俺のせいです』


全責任を取りますと俺は頭を下げた


『だからお願いします。ここで終わらせないで下さい』

「明輝…てめぇ、何言ってんだ！」

ガッと胸ぐらを捕まれ虹村は鬼の形相で怒りを顕にした

「同情のつもりか！？あぁん！？」

『んな訳あるか！俺だってこんなみっともない主将の姿なんざ見たくねぇよ！今すぐ引っ込めたいわ！！』

「だったら、俺はっ、！」


『だから尚更意地を見せろ！！後輩にこんな顔させて変わってもらうんか！？お前は！！』

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