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「八九寺術師、お疲れさまでした。」
「クリスマスまでお仕事させてしまってすみません。」
「いいえ、八九寺さんこそ若い大事な時間を。」
街がカップルで溢れる中、今日の一大イベントにむけて装飾された街並みを眺めながら、Aは補助監督と共に車で高専へ戻っていた。
若い大事なお時間をと言われてもAは予定なんてない。
帰ったら夕食に出てくるチキンとクリスマスケーキを食べて何をしようか。
今高専の寮で長期休暇を過ごしているのはAだけ。つい先日から冬休みになってしまったので、クリスマスだねと話す人すらもいなかった。
部屋よりは暖かい談話室で、来るはずのない人を待ちながら最近やっていなかったどうぶつの森を始めた。
悟がどうぶつの森が嫌いなものだからあまりしておらず、ラフレシアが咲いていた。
村の評価は地に落ちていて、最近本当に悟とばかりゲームしていたのだなと思う。
そう思えばなんだろうか、底知れぬ寂しさに襲われた。
今頃悟は何をしているのだろうか。
艶美な魅力のある女性と夜の街を歩いているのだろうか。
先日、彼の誕生日の終わりに抱きしめられたあの日。そして一緒に街で夜通し遊んだあの日も。
クリスマスに自分が相手として選ばれるんじゃないかと、実は寮に戻ってきて一緒に過ごしてくれるのではないかと、
傲慢ながらにそう思っていた自分がいて、勝手に期待しては期待を裏切られたショックを受ける。
選ばれるはずなどないのに。
彼には侍らせている女性がたくさんいると自分でわかっていたのに。
こうなったらどうぶつの森、鈴蘭咲くまで終われない企画をやろうと、談話室にいるのも忘れて黙々とDSと向き合った。
「……？」
午前三時。いつの間にか寝落ちしていたAは人の気配と物音に目を覚ました。
なんだろう、香水のきつい匂いが鼻を刺す。
消された電気に、見知ったようなしかし鼻が曲がるような香水の強い匂いのするジャンバーはAが冷えないように足側に掛けてある。
察しの良いAはそれが誰のもので、この足音の主が誰なのか分かっていた。
大好きな背格好に、大好きな動作に、大好きな夜中でも目立つ白い髪。
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こにしりおん(プロフ) - 0aa2t4497251v4jさん» お気遣いありがとうございます！どっちも頑張りますね。コメント嬉しいです (7月22日 3時) (
レス) id: bb58dec0f7 (このIDを非表示/違反報告)
0aa2t4497251v4j(プロフ) - 社会人一年目はしんどいのでゆっくりで書いた方が良いですよ。私生活優先です。ゆっくり仕事に慣れて下さいね。無理なく頑張って下さい (7月21日 15時) (レス) @page36 id: b21cc666ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こにしりおん | 作成日時：2022年3月11日 4時
