師走。 ページ7
「おい遅いじゃねぇか。」
「…。」
「聞いてんの？」
「……。」
「A？」
ぱーーーーんっ！
いつものようにゲームをしようとソファに座っていた悟は、急に鳴った大きな破裂音に驚いて振り向く。
するとひらひらと落ちてきた紙テープに、笑っているA。煙臭いクラッカー。時計は0時ちょうど。
12月7日今日は悟の誕生日である。いつも23時ごろから談話室に集まるが、今日はこのためにわざと遅れてきたようだ。
「マジビビった。」
「驚きました？お誕生日おめでとうございます。」
そう言って大きめの紙袋をわたすと、驚いた様子で悟はおとなしく受け取る。
アプリコット柄の可愛らしい袋を開けようと、悟はソファに座って中身を取り出した。
「すげぇ！宝箱かよ！！！」
ざらざらざらーっとソファの上で紙袋をひっくり返すと、これでもかという程に出てくるお菓子お菓子お菓子。
他には紙パックのジュース沢山、悟がやりたがっていたゲームカセット一つが入っている。
何を渡したらいいのかわからなかった割にはいいものを渡せたのではないかとAは自負していた。
「喜んでもらえたならよかったです。先輩の好みに合うかわからなくて、」
眼を輝かせて喜ぶ悟の様子を見て安堵したAは、ばらばらと散らかされたプレゼント達を除けてソファに座った。
「先輩お茶とってください、冷蔵庫の。」
「あ？自分でとれよ。」
「いいから。」
せっかく喜んでいたのになんだと不服そうな顔をして悟が冷蔵庫を開けると、そんな不服そうな顔も一転。冷蔵庫にある白い箱というだけで何なのかを察したようで箱をもって飛んで戻ってきた。
「お前まじ最高！！」
ケーキの箱を持っていないほうの手でAの肩を抱くと、2人の距離はぎゅっと縮まる。
慣れるようで全く慣れないこの距離感に、Aが照れているのも知らず悟はケーキを箱から取り出した。
8号サイズのホールケーキは食べ盛りの男女には余裕なもので、悟が食べてしまう前に七海、伊地知、硝子の分を取っておくと、あとは好きに食べてどうぞと悟に半ホール差し出した。
ケーキのブランドはAが太鼓判を押す、一押しブランドだ。クリームはさることながらスポンジが最高に美味しいここのブランドに、悟も射止められたようで口へ運ぶ手が止まらなかった。
「私だけですみません。七海先輩は伊地知君と泊りがけで任務だし、硝子さんは明日のお昼まで京都校だから…。」
「十分だわ。さんきゅーな。」
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こにしりおん(プロフ) - 0aa2t4497251v4jさん» お気遣いありがとうございます！どっちも頑張りますね。コメント嬉しいです (7月22日 3時) (
レス) id: bb58dec0f7 (このIDを非表示/違反報告)
0aa2t4497251v4j(プロフ) - 社会人一年目はしんどいのでゆっくりで書いた方が良いですよ。私生活優先です。ゆっくり仕事に慣れて下さいね。無理なく頑張って下さい (7月21日 15時) (レス) @page36 id: b21cc666ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こにしりおん | 作成日時：2022年3月11日 4時
