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Aが運転席へ、悟は慣れた手つきで助手席へ。
Aの持つ車はSUVで悟の長い脚も、広い助手席に収まる。
彼の乗りやすいように設定された助手席は、最大限まで後ろに下げられていて座席も人よりかは倒してある。
いつも任務の時に後部座席に乗る彼だが、Aと2人の時だけは助手席乗るのだ。
そして伸びてくる彼の手。
引っ込んでいくその手。
いつも車に乗れば悟はAのどこかしらに触れていて、今日もそうしようとしたところをやめたようだった。
…寂しい。
いざこのようにして離れてみれば、悟はAの生活の中心で、「いつもしていること」がなくなることに異常な虚無感を感じた。
もうすでに先日言った関係解消を後悔しているAでだった。
元恋人とは思えない距離感の2人は、特段特別な会話もせず、スタバに寄っていつものドリンクをテイクアウトしながらのんびりと話しながら病院に向かい、到着するころには真希の処置が終わっていた。
「小学生たちにドリンク買ってくるよ。」
「ん、じゃあこれ使って。」
悟に財布を投げられキャッチすると、Aはちいさくお礼を言って自販機でジュースを買い始める。
小学生達と憂太。伊地知はお茶。悟はココア。自分は水。
出口が詰まらないよう順番に一本ずつ買っていると、悟たちの会話が聞こえてきた。
「…どうかした？」
「少し思い出したんです。里香ちゃんが呪いをかけたんじゃなくて、僕が里香ちゃんに呪いをかけたんじゃないかって。」
憂太が、折本里香に...?
全くなかった発想だったがあり得ない話ではなかった。
手を止めたままじっと考えていると、悟の言葉に思考を止めざるを得なくなってしまった。
「これは持論だけどね。愛ほど歪んだ呪いはないよ。」
それは誰に向けた言葉なのだろうか。
正直なところ、Aを別れてから傷心している様子もない悟。
自分の独りよがりだったのだろうか。
それともその愛は昔の親友に向けた愛なのだろうか。
常に付き合っている間愛をぶつけられてきた自覚はあるが、果たして真意だったのか、彼の考えていることがますますわからなくなった。
この心の行先に困ったAは、最後の自分の分の飲み物を押して両腕に抱えながら悟の元へ戻った。
「先生。僕は、呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます。」
憂太の決心を聞き、悟は嬉しそうに笑うとAはドリンクを皆に配ってから高専へと戻った。
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こにしりおん(プロフ) - 0aa2t4497251v4jさん» お気遣いありがとうございます！どっちも頑張りますね。コメント嬉しいです (7月22日 3時) (
レス) id: bb58dec0f7 (このIDを非表示/違反報告)
0aa2t4497251v4j(プロフ) - 社会人一年目はしんどいのでゆっくりで書いた方が良いですよ。私生活優先です。ゆっくり仕事に慣れて下さいね。無理なく頑張って下さい (7月21日 15時) (レス) @page36 id: b21cc666ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こにしりおん | 作成日時：2022年3月11日 4時
