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……その晩みたものは、悪夢だった。
昨日今日と高専にいることで蘇る青春の気持ちや思い出したくもない記憶は、Aの精神状態にはいいことではなかったようだ。
先生就任一日目を終えたAは、乙骨の入学手続きを終えるとすぐに、自分の寮の部屋で倒れこむように眠ったのだった。
そう、その夢はまさに悟が最強になった日のこと……。
当時、あれはAが高専一年のころ。
目の前には黒板に並ぶ数式と、伊地知と、日葵。
“高専着いた”
引き出しの下に隠していた携帯から、Cメールが届いたことを知らせるバイブレーションが鳴り、Aがすぐに携帯を開くと悟からそう送られてきていた。
こうなればAのソワソワは止まらない。小さな手鏡を見て自分のビジュアルを確認し、うっすらと浮かぶ汗を脂取り紙で拭った。
「八九寺さん！授業中になにをしてるんですか。」
「あ、ハイ。すみません。」
「ここを解いてください。」
先生の指す練習問題３をみて、うーーーんと考えていたその時。構内に大きな音が鳴った。
ここから遠いように感じるが、本当にここからは感覚だ。
何故か自分は絶対に行かないといけないと感じた。
「と、とにかく皆さんはここにいてください。危険ですから……。」
教師が連絡を取っている間にAは立ち上がり、教室を駆け出した。
Aを呼び止める声が聞こえるが関係なかった。苦無を手に持ち、続いて何度か建物が壊れる音のほうへ走ったが、その音はしばらくしてぱたりと聞こえなくなった。
“先輩今高専のどこですか？”
“今の音何ですか？”
キリキリとした人間の本能に障る感覚が、手を痺れさせる。
“傑先輩と喧嘩ですか？”
帰ってこない返事に痺れを切らして電話をするが、悟からの応答はない。
筵山麓のひどく長い階段を駆け上がったその時、Aは大量の血液で真っ赤に染まる地面と、そこに倒れこむ白髪の男に悲鳴を上げた。
「先輩！！！なんで！！！！！！！」
喉元から足へ幾つも切り裂かれ、その喉元は貫かれている。
血液など関係なく彼のもとへ駆け寄ると、息すらしていないかった。
「なんで先輩、待ってよなんで。何があったの。」
自分が反転術式を使えれば。
と能のない自分を責めたが、それと同時に反転術式の使い手を思い出した。
「硝子先輩！！助けて！！先輩、、、悟先輩が！！」
過呼吸気味にそういう彼女がかけたのは硝子だった。
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こにしりおん(プロフ) - 0aa2t4497251v4jさん» お気遣いありがとうございます！どっちも頑張りますね。コメント嬉しいです (7月22日 3時) (
レス) id: bb58dec0f7 (このIDを非表示/違反報告)
0aa2t4497251v4j(プロフ) - 社会人一年目はしんどいのでゆっくりで書いた方が良いですよ。私生活優先です。ゆっくり仕事に慣れて下さいね。無理なく頑張って下さい (7月21日 15時) (レス) @page36 id: b21cc666ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こにしりおん | 作成日時：2022年3月11日 4時
