皐月。 ページ29
あれから悟と連絡を取ることは一切なく、気づけば高専四年の五月になっていた。
一度切れてみれば、彼を想う時間は減り、今となればひと夏の恋だったと収拾がついた。
この間にも彼氏を作ってみたりとAなりに海外生活を楽しみ、とうとう日本への恋しさを忘れた頃高専へと呼び戻されることとなり、今東京駅で補助監督の迎えを待っているところだ。
何故呼び戻されたかというと、これも最悪の知らせが舞い込んできたからだ。
「"呪詛師 星野日葵 指名手配一級へ"か。」
あの日葵が、一家惨殺事件を幾つか起こしていると言う。
呪詛師の活動の活発化は、なにか危険をにおわせる。そこで準一級のAが呼び戻されたということだ。
隠し撮りされた日葵の指名手配写真には、ふわふわとした可愛らしい印象の日葵は居らず、真っ黒の袴に身を包み、傑と共に映っていた。
「は、八九寺さん。」
おなじみの車から聞きなれた声がすると、そこには初心者マークを車に張り付けた伊地知が窓を開け、Aを呼んでいた。
「伊地知くん！」
元々老け顔の彼は老け度を増したようだった。
周りの車や人に気を取られながら助手席に乗ると、懐かしくてその懐かしさに声を上げた。
「すっかり補助監督の練習生になっ……。」
懐かしさに気を取られていたが後ろからの視線に気が付く。
バックミラーには、見慣れた白い髪が逆立ってなびき、ふてぶてしいその態度は、目隠しをしていても誰だかわかる人が映っていた。
「え。」
「えってなんだよお前。」
「いやあ。」
色恋事情は知らないが、悟の変貌に気を使った伊地知はその場を待って言葉を放った。
「五条さんは、今年から私たちの担任です。」
「…はい？」
「だからぁ、"僕"がAの担任。よろしくね〜〜。」
「…呪霊？」
「おい。」
本気で悟から呪力を感じ取るが、呪霊のような気持ちの悪い呪力は流れておらず、悟の澄み切った呪力だけが感じ取れる。
「どゆこと？」
「家入さんに聞けばわかるかと。」
「七海先輩は？」
「一般企業へ。」
「はあ。。。」
キャラ変した五条"先生"にダルがらみされながら空港を離れると、まっすぐに高専へと帰り、悟と伊地知は近くの任務へ、Aは硝子の迎えと共に高専の門をくぐった。
「元気そうで何よりだよ。」
「硝子先輩こそ。いろいろ変わりすぎて困ってますけど。」
「あいつだろ？ショックか？」
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こにしりおん(プロフ) - 0aa2t4497251v4jさん» お気遣いありがとうございます！どっちも頑張りますね。コメント嬉しいです (7月22日 3時) (
レス) id: bb58dec0f7 (このIDを非表示/違反報告)
0aa2t4497251v4j(プロフ) - 社会人一年目はしんどいのでゆっくりで書いた方が良いですよ。私生活優先です。ゆっくり仕事に慣れて下さいね。無理なく頑張って下さい (7月21日 15時) (レス) @page36 id: b21cc666ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こにしりおん | 作成日時：2022年3月11日 4時
