霜月。 ページ22
「ええーーーーっ！」
雨季が終わり乾季を迎えたグアムで一人、からっとした暑さに肌を焼きながら携帯越しに猛抗議をするAの姿がそこにはあった。
「来ないのは嫌だろう？」
「嫌です絶対行きます。」
「ならすまないが我慢してくれ。」
2泊3日の旅行だが、旅行のためにこの一週間根詰めて働いたというのに大きい任務が前日に舞い込んできたため、Aの参加は1泊のみらしいのだ。
「夜蛾先生嫌いになりそう。」
「焼肉奢る。」
「はい好き。」
「頼んだぞ。」
せっかくの旅行が台無しだが、美容のほうはばっちりだ。
年中夏のグアムの紫外線の量は3から6倍と言われており、日本で買い込んだPA++++の日焼け止めを3時間に一回塗っていたおかげで肌はあまり焼けていないように感じる。
保湿も日本にいた頃のなん十倍とし、日焼けや紫外線による荒れの対策を気を抜かず講じてきた。
そんなAは嫌々荷物をまとめ、再手配されたチケットをメールで受け取ると、今手元にあるチケットの一日半遅れの日程に大きなため息をついて任務へと出かけた。
‣
「ついたああああ！」
グアム→東京→北海道と飛行機を乗り継いできたAは、到着するなり夜蛾の待つロビーまで走って向かった。
「夜焼肉？」
「夜は旅館の料理がある。焼肉は明日の夜だ。食って帰れ。」
「やったー。」
夜蛾の乗ってきた車に乗ると、高速を使って悟達の居るところまで飛ばしてもらった。
グアムが暑すぎて冬の寒さに耐えられず震えながらもグアムで会ったことをマシンガントークでAが夜蛾にぶつけるものだから、最後には夜蛾が随分と疲れていた。
「最終日のために帰ってきた奴来た」
さっそく旅館に着くと雪見大福片手に緩く浴衣を着ている悟に出会い、早くもAの心臓は鼓動を早める。
「そりゃ帰ってくるでしょ、旅行ですよ？」
「わざわざ過ぎるだろ。」
「とか言って嬉しいくせに、お土産いらないんですか？」
「要らねぇわけねぇだろ早く寄越せ！」
「お前ら今から夕食だぞ…。」
高校生の底なし食欲に夜蛾にドン引きされながらも、皆一緒の座敷の夕食会場へと向かった。
「お、元気そうじゃん。」
「硝子先輩！」
いつも通りな硝子にすかさずお土産をわたすと、一人一部屋式らしく硝子の隣であるAの部屋まで連れて行ってくれた。
「せっかくだから浴衣着替えな。待ってるから。」
「わかりました。」
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こにしりおん(プロフ) - 0aa2t4497251v4jさん» お気遣いありがとうございます！どっちも頑張りますね。コメント嬉しいです (7月22日 3時) (
レス) id: bb58dec0f7 (このIDを非表示/違反報告)
0aa2t4497251v4j(プロフ) - 社会人一年目はしんどいのでゆっくりで書いた方が良いですよ。私生活優先です。ゆっくり仕事に慣れて下さいね。無理なく頑張って下さい (7月21日 15時) (レス) @page36 id: b21cc666ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こにしりおん | 作成日時：2022年3月11日 4時
