葉月。 ページ16
手にみなぎる無限の呪力。
空気すらもすべて自分の思い通りに動く感覚。
暑さに鬱になる葉月。
Aはついに黒閃を繰り出すこととなる。
彼女の呪力は凄まじく、流石古くからある八九寺なのか。
本人の訓練と努力も相まって、悟監督の元行った一級任務にて中々にボロボロになりながらも呪術師としての本質呪力の核心へ迫る黒閃を放った。
紫の呪力に纏われる黒の稲妻の出現と共に一級呪霊を倒し切ると、それと共にAも呪力切れで悟に支えられながら倒れた。
これは高専でもたちまち噂になり、彼女の底知れぬ才能と呪力は高専を飛び出し、呪術界に話題を呼んだ。
そしてこれが功を奏したのか、負を呼んだのか。
とある日、Aは夜蛾に呼ばれることとなる。
「グアムだ。」
「え、？」
「お前たちを引き剥がすのはあまりしたくなかったが、すまない。」
すまなそうにする夜蛾と共に渡された分厚い資料は、拒否権のないグアムへの出張資料だった。
既にビザまで取られており、本当に拒否権のないこのグアム行きは、意識が遠くなるほど衝撃的であった。
「え、誰とですか？」
「悟と。付き合ってるだろう？」
「違いますよ、勘弁してください。でも。」
満更でもなく否定しつつ、心臓が飛び出そうな程のこの苦しみをAは夜蛾にこぼした。
「寂しいです。正直。」
「だから何度も断った。だが、止められなかった。申し訳ない。」
「…いいですよ、私が適任なんでしょ。行きますよ。」
資料に書かれた期日は卒業まで。
長い。長すぎる。
でも、拒否権は本当に無かった。
「行事は帰って来い。あちらは忙しいが、行事だけは外さずに帰って来い。わかったな？」
「はい。」
行事だけは参加させてやりたい。という夜蛾の思いがAに届いたかはわからないが、了承したAは、落とさないよう資料を持ち直しながら部屋に戻っていった。
「マジか…。」
行きたくない。
それが正直な気持ちだ。
悟に会いたい。そう強く思うが、彼は昨日から4日程青森への任務であけている。
七海や伊地知に行ったところで「そうですか。気をつけて頑張ってください。」で終わりなのは目に見えているし、この寂しい気持ちを吐き出す場所はどこにもなかった。
…しかし悟が居ないことは逆にチャンスなのかもしれない。
彼と会ったら絶対に行きたくなくなる。彼が帰ってくる前に行くべきなのかもしれない。
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こにしりおん(プロフ) - 0aa2t4497251v4jさん» お気遣いありがとうございます！どっちも頑張りますね。コメント嬉しいです (7月22日 3時) (
レス) id: bb58dec0f7 (このIDを非表示/違反報告)
0aa2t4497251v4j(プロフ) - 社会人一年目はしんどいのでゆっくりで書いた方が良いですよ。私生活優先です。ゆっくり仕事に慣れて下さいね。無理なく頑張って下さい (7月21日 15時) (レス) @page36 id: b21cc666ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こにしりおん | 作成日時：2022年3月11日 4時
