文月。 ページ13
蝉の声がわんわんと暑さと共に頭に響き渡る日。
体術の時間であるが、このような暑さの中外で体術を練習する気になるわけもなく、Aと悟は木陰でパピコを半分にして咥えていた。
「蝉ってなんで存在してるんでしょうね、一週間だけとか多分世界にとって意味ないと思うんですけど。」
みーんみーんと2人の会話を邪魔するかのように大声でなく蝉に腹すら立ってくる。
「おいお前らサボらずにやれ。」
「夜蛾センこの暑さはさすがに無理。」
「じゃあこれでもやってろ。」
2人のもとにホースをもってやってきた夜蛾は、それを渡し、2人はなんのことかと顔を見合わせる。
「水？」
「先輩は打ち水も知らない感じですか？まあしらないですよね、お坊ちゃまだもの。」
「はああ？知ってるしおら、」
「ぎゃあああああああああ冷た！と思いきやぬるっ！」
渡されたホースをそのままAに向け水を噴射させると、Aは冷たいかと思いきや温い水でびしょぬれになる。
「かけていいですか？」
「ダメに決まってんだろ、うわっ！」
控え目にびしゃっとかけると、彼のワイシャツは一部だけ濡れ、生肌にぴたりと張り付く。
「俺制服なんだけど？？」
「どうせこれで今日終わりなんだからいいじゃないですか。」
びちゃっ。もうひとかけすると悟の怒りは抑えられなくなり、Aをホースと共に追いかけまわした。
やれやれと言わんばかりに夜蛾は2人を放って帰っていき、残された悟とAは気が済むまで夏の夕日に肌を焼きながら遊んだ。
子供に戻ったかのように遊んだ2人は、ついには水風船まで作り、パステルカラーで並んでいる水風船の写真を眺めながら、談話室で濡れた髪を拭いた。
これほどまでに高専の空調が聞いていると感じたことは今までにないだろうという程涼しく、そしてその冷えた肌を温めようと体が勝手に熱くなっては、そのじんわりとした感覚にAはつい眠ってしまった。
隣には悟がいるというのに、遊び疲れて帰るときの子供のように、ころんと眠ってしまった。
そんな可愛らしい顔をしたAに顔を近づける影が一つ。
それもそうだ。彼女が猛烈に彼に恋心を抱くように、彼もまた恋心を抱いているのだ。
そこでキスなんて大それた子供らしいことなどしないが、本当にしようか葛藤している悟の姿がそこにあった。
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こにしりおん(プロフ) - 0aa2t4497251v4jさん» お気遣いありがとうございます！どっちも頑張りますね。コメント嬉しいです (7月22日 3時) (
レス) id: bb58dec0f7 (このIDを非表示/違反報告)
0aa2t4497251v4j(プロフ) - 社会人一年目はしんどいのでゆっくりで書いた方が良いですよ。私生活優先です。ゆっくり仕事に慣れて下さいね。無理なく頑張って下さい (7月21日 15時) (レス) @page36 id: b21cc666ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こにしりおん | 作成日時：2022年3月11日 4時
