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それから少しして。
ほんの少し日が落ちるのが早くなり、秋の香りを感じ始めた頃。
Aが相当楽しみにしていた交流会は、傑と悟の大暴れによる圧勝であっけらかんと終わってしまった。
京都校の人と仲良くなる暇もなく、歌姫という名の先輩としか関わりは持てず。
歌姫から京都の菓子を渡されて懐いた程度であり、体育祭を思い浮かべていたAらはうどんレベルのあっさりさにぽかんと口を開いていた。
「面白く無。」
「とか言って五条先輩ばっかりみてた癖に。」
「しー。先輩近くに居たらどうするの。」
交流会お疲れ様会(みんなでパーティしたいだけ)の準備中。
Aは交流会というものだから、もっと熱い戦いと余韻を期待していただけに、先ほどからその話ばかりである。
「来年はうちらの学年出られないから、あんたたちでやるんだよ。」
「私は戦いたくないなあ。」
「うちにはエース八九寺いるから大丈夫。」
「私そんなんじゃないですよ。七海先輩に頑張ってもらわないと。」
「でも聞いたよ。もうすぐ２級だってね。」
「…２級までなら誰でもなれますよ。両親に早めに教わってただけなので私は。」
あの悟でさえ、Aの習得の速さと伸びしろには、言い方はそうでなくとも褒めていたのに、Aの自身のなさにはじまったと日葵はあきれる。
「悟先輩にこう言ったら？"一級になったら付き合ってください！"って。」
「絶対嫌だ無理いろいろ無理。」
「なんでぇ。」
Aの中で
�ゞ�と付き合いたくない
��屑に傷つきたくない
��絶対からかわれる
�っ任蕕譴襪里�悟だと癪
�ァ帖帖�
「今の関係がいいのぉってことでしょ。」
「違います勘弁してください。」
違わない。むしろ一番の要因である今の関係の維持。
Aは硝子の奥まで見抜く瞳から目をそらすと、いつもの位置にいつもの皆の箸をおいてソファに腰かけた。
「日葵こそ、傑先輩はいいの？」
「私はいいの。推しだし恋愛感情よりも尊敬のほうが多いんだよね。傑先輩だけが正しいって思ってる！」
Aはそう自信ありげに言う日葵に息をのむ。
彼には不思議な魅力がある。謎に引きこまれるというか、独特な雰囲気が目を引くというのはよくわかる。
彼が宗教を始めれば、きっと成功するだろう。
「愛だね。」
「だね。」
このような愛の形もあるのだなと、Aと硝子は続けて言葉を重ねた。
「硝子先輩は？」
「さあね。」
「なんですかその返事！」
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作者名：こにしりおん | 作成日時：2022年2月9日 4時
