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「五条…悟さん、ですか、ね。」
六眼。あの美しい目を持つ呪術師は六眼を持つ呪術師。つまりは五条悟。
呪術師の家系であるAが知らないはずなかった。
悟は、満足そうに口角を少し上げると、元の姿勢に戻ってジュースをずずずーっと吸った。
「八九寺Aです、よろしくお願いします。」
「星野日葵です！」
「伊地知、潔高です。」
一年各々が自己紹介を済ませると、ほどけた緊張感の中に夜蛾が入ってくる。
「呪術高専は学年を超えた関わりがほどんどだ。うまく付き合え。」
Aからして悟や傑はともかく、硝子や雄とはうまくやっていけそうに思い、満面の笑みで顔を縦に振った。
聞く限り、京都校との対抗試合や日頃の実技の練習、任務の同行、そして旅行までもが全学年で行われると言う。
呪術高専は基本的に先輩後輩の関係は上記のイベントがあるため良好で、寮の談話室で映画オール・たこ焼きパーティ・ゲームオール(桃鉄率高め)等いかにも「青春」という感じの匂いがしてAと日葵は感嘆の声を上げた。
その後、2年と3年は傑の任務以外は実技。1年は座学のためAらは先輩とお別れだ。
…そして面倒なほどにテンションが上がった日葵にAは付き合わされることとなる。
「ねえ！！！ね！！！！え！！！！！！！！」
本当に昨日出会ったばかりなのか。人懐っこいというかなんというか。
もう何年かともにしてきたのかというような日葵はAにぴょんぴょん飛び跳ねながら話しかけてきた。
あ、もちろんAはそんな日葵が全く嫌ではない。
「どうしたの？」
「どっち派？！」
「ど、どっち派って…。」
日葵の言っていることは何となく想像がついた。
別にそういうの興味ありませんよアピールするつもりもないAは、正直に日葵の求めている回答をする。
「どちらかといえば五条先輩…かな？日葵は？」
「私は夏油先輩!!」
目をキラキラと輝かせる彼女がとてもまぶしい。
教室に帰る道中。2年生3年生が近くにいる心配がないことをいいことに日葵の声はどんどん大きくなっていく。
「、、、、ひとめぼれなんて初めて…。」
「え？」
何となく歩いていたAの足は止まり、うっとりする日葵を見る。
「そのレベル？」
「逆にAは違うの？」
「だって硝子先輩が“ド屑2人”って言ってるんだよ？」
「そこがまたいい!」
「…なるほど。」
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作者名：こにしりおん | 作成日時：2022年2月9日 4時
