君に贈る杏の花。Ⅰ【五条悟】 (ページ24)

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※時代背景2007年なのに現代の曲出しますすみません。
著作権にできるだけ配慮して省略して歌詞を書いています、よかったら最後に書いてある題名で調べてみてください。

先ほどの一連の出来事を思い出して余韻に浸っては何度もちらちらと悟の顔を見てしまうAの順番が回ってきた。
歌が下手ではないが特に特技でないAは悟に抱く気持ちを乗せて歌った。

「煌めいて消えてった
ひとひらの恋の結末は……

…落っこちていくような心地がしたのは
目と目が合った時でしたほんの一瞬のこと。」幾田りらさん「スパークル」より。

「いい歌ぁあああ」

ぐわんぐわんとAを揺らす日葵は、もう既にCDを探し始めていた。

「若いなあ。」

そう言う隣の硝子もまた、この曲のCDを検索していた。

「2人とも私のCD貸しますよ、今度ウォークマン(iPodと同じような奴)貸してください。」

「やーるぅ、A。」

「硝子さんたばこ身体に悪いですよ、」

「まあまあ。」

傑と硝子はぷかぷかと煙草を吸っていて、その煙が部屋中に立ち込めている。
辞めないのはわかっていても一応体裁上いつもAは硝子に煙草をやめるように説得していた※タバコは20歳から

「さぁ、次は日葵ちゃんだよ！」

灰原の声にぱっとテレビ画面を見ると、日葵の歌が始まろうとしていた。

…そんなこんなであっという間に過ぎた3時間。まだまだ夜の22時。いつもなら入浴かうまくいけばゲームをしている時間ではあるが、先ほど騒ぎすぎたAはこてっと眠ってしまった。
そして思った以上にぐっすりと眠って朝方4時。
ふと目を覚ましたAは、せっかく楽しみにしていたカラオケパーティを寝過ごしてしまったことに、あたりの荒れ具合から大きく落胆した。

「うぇ、起きてたんですか悟先輩。」

皆がすやすやと眠る中起きていた悟は、携帯をずっと弄っていたようだ。充電器を刺しながら携帯を触っている。
携帯の充電をなくすまで、そして補充しながら寝ずに連絡を取る相手は一体誰なのか。
まだ中学上がりたて15歳の少女には、苦しい現実。
女を侍らせていることはよく知っている。逆にここまでの顔面をもってそれを利用しない人はいないだろう。
思い浮かぶのは年上のグラマラスな女性たちで、自分が如何にこの思考回路含め子供なのかを再認識してAは胸が痛くなった。

「お前のでっけぇいびきで寝られねぇんだよ。」

「えっっっうそ、私そんな…！」