・ ページ42
食事が終わった後解散する。
少しお酒を飲んだからか坂田がふらふらしている。
『ほ〜ら坂田、ちゃんと立って。
すみません運転手さん、ここの住所までお願いします』
すでに呼んでいたタクシーに坂田を乗せて住所を書いた紙を手渡している。
準備がいいな。
その後解散して、明後日に控えている録音に向けて体調を整えるために早めに就寝する。
…だが
「やっちまった…」
次の日目が覚めると体がだるい。
熱を測ってみると37.7度。
のどもガサガサだ。
とりあえずグループLINEで報告する。
メンバーからは安静にして無理はするなと返事が来た。
Aも既読を付けているのに返信がないなと思っていたら電話がかかって来た。
『もしもし?
大丈夫?今から家行くから必要な物言って?』
「ほんとわりぃ…薬とかはあるから軽く食えるもん買ってきてほしい」
『りょ〜かい、冷えピタ貼ってゆっくり寝ててね』
そう言って電話が切れた。
起き上がっていようと思ったのだが如何せん体がだるい。
言われた通り冷えピタを貼ってベッドに横になる。
うとうととしているとインターフォンが鳴る。
気怠い体を起こして鍵を開ける。
『寝てた?
起こしてごめんね、お邪魔します』
寝てていいよと言われたのでもう一度ベッドに戻る。
2時間ほど寝ていてしまっていたのだろうか。
気付いた時にはAがベッド横に座って携帯をいじっていた。
『あ、起きた。
お粥あるけど食べる?
洗濯とか掃除とかも大まかには終わらせてるよ』
なんて出来マネージャーなんだろう。
「ありがと、ほんまに助かる。
お粥もらうわ」
というとキッチンへ言ってすぐにお粥をとってくるA。
温め直したのか湯気が出ている。
『熱いから気を付けてね』
「…Aが食べさせてくれへん?」
怒られてしまうかと思った。だが、
『いいよ、ほら、あーん』
ふーっと息を吹きかけて冷ましてから俺の口元にお粥を持ってきてくれる。
「あ…サンキュ…」
赤くなった顔は熱のせいだと思いたい…。
まさか本当にしてくれるとは思わなかった。
15分ほど食べ進めて、ようやく食べ終わる。
Aはずっと俺に食べさせてくれていた。
『ん、完食!
薬持ってきてるから飲んでおいてね』
そう言って器をキッチンにもっていくA。
薬を飲んでベッドに座り直すとAが戻って来た。
「…なぁ、本当にありがとな」
一息ついているAにお礼を言う。
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蘭人 x他1人 | 作成日時:2020年4月1日 22時