"女"ですが何か？【幽遊白書】

第二十話 感謝に背を押され ページ20

子供はAからの返答が無いのを疑問に思い首を傾げた。


立ち去る前に母親は、温子に深く…深く座礼をして小さな彼の手を引き浦飯家を出ていく。


Aはそんな親子の後ろの上空から見下ろす。


………バカなガキ、あたしなんかにお礼言ってどーすんだよ。


スカートのポケットに突っ込んでる両手を、爪が皮膚に食い込み程握り締めた。…握り拳の隙間から微量に血が流れ出る。
【※霊体って出血するのかって考えたんですけど、Aは今"霊体と生体の境"みたいな存在だとイメージしてるんで……彼女だけ特別だということで(汗)】



『………あたしが、

ーーあたしが助けた訳じゃねーんだぞ！！』



彼女は出血なんてそっちのけで、子供の感謝の言葉に我慢ならず異議を唱えた。



子供「ねぇ、ママ。おねえちゃん箱の中でなにしてたの！ 寝てたのー？」

母親「………そ、そうね」

子供「ママ！ おねえちゃんが起きたら、また来ようね！ 起きてる時にちゃんと、

ーー"ありがとう"言いたいな！！」

『ッ！！』



小さな彼の無垢で優しい言葉に、Aの固く握られていた拳が弱々しく解かれる。


息子の言葉で母親は箍(たが)が外れたのか小さな彼の前で腰を屈め、小刻みに身体を震わせてその悲しみを映した瞳から落涙した。



母親「…………それはね、できないの」

子供「どうして……、なんで……？」

母親「だめなのよ……、だめなの……っ」



疑問をぶつける息子に、母親はただ小さな彼を抱き締めーー"否定"の言葉を並べ続けた。




◇




『なぁ……、……ぼたん姉さん』



Aはボンヤリと……しかし、どこか覚悟を決めた声色でぼたんを呼んだ。
白い光に包まれてパッと彼女は姿を現す。



ぼたん「なんだい？」

『生き返るための、試練ってやつ………

ーーー受けたいんだ』




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

キリが良いので、申し訳ありませんがこの頁は此処までです。
これからの話の流れですが、次の原作でいう【復活への試練！！の巻き】編が終わった後、漫画三巻【三匹の妖怪！！の巻き】まで一気にカットさせて頂きますm(._.)m

例の"霊界獣の卵"は今後重要になると思うので復活への試練編でキリます！
早く他キャラもドンドン出したい…(*´ω｀*)

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