第十八話 不器用な男 ページ18
Aは口元を軽く緩ませて、他へと視線を移そうとした時…"見慣れた顔"が目に入った。
『！ ……螢子』
自分の唯一無二の親友…幼なじみである"あの"雪村螢子が、いつも一緒の友人等に両側から支えられながらーー泣き崩れていた。
…そんな、泣き崩れる程に……お前は泣いてくれるのか。こんな、あたしなんかの為に。
側に居て、手の届きそうな距離に居るってのに、お前には……あたしの姿は見れないし、触れもしない。触れられないのは…自分もだが。
結局、あたしは……お前の為に何一つしてやれなかった。
そんな自分が、酷く滑稽でもどかしくてーー許せなかった。
ーーーーんだが。
桑原付１「まずいですよ！！ 帰りましょうよ！！？(汗)」
桑原「うるせェ放せ！！ ーーゼーッ…、ゼーッ」
感傷に浸っていた自分を現実に呼び起こし、この場の雰囲気を見事ぶち壊し現れたのは、Aにとってただ一人の悪友ーー桑原である。
『桑原……』
彼の姿を捉えると自身を卑下していた彼女の沈んだ表情が一変して和らいだものとなった。
……しかし、数秒後にそれは苦いものへと変わる。
桑原「キタネェぞ勝ちっ放しでくたばりやがってッ！！ 他人に"あまチャン"のテメェ"らしい"死に方なんざしてんじゃねェ！！
ーーテメェを殺すのはオレだッ、聞いてんのかコラァッッ！！(怒)」
桑原付２「桑原さん霊前ですよ！！(汗)」
桑原付１「聞こえるはずないでしょ！！(汗)」
…………いや、バッチリ聞こえちまってるから。←
桑原「生き返れチクショオッ！！ 戻って勝負しやがれクソアマァッ！！ ……"回数減らす"どころの話じゃなくなったじゃねーかッ！！」
"浦飯〜〜ッ！！(怒)"と明らかに言い足りない様子の桑原を担ぎ上げ、彼の舎弟(？)らしき二人は"失礼しやした〜〜ッ！！(汗)"とそそくさと走り去っていった。
『……はは、本当……バカな奴。それに……』
"回数減らすどころの話じゃなくなったじゃねーかッ！！"
……しっかり覚えててくれてんじゃねーか、そこんとこはあたしに似て不器用な野郎だな。
言葉とは裏腹に、Aの顔に先程までの陰りは消えていた。
……そこへまた聞き覚えのある"耳障り"な声が耳に入る。
岩本「……なんだ、あいつらは」
先生１「浦飯のつきあってた連中らしいですね、騒がしいことこの上ない」
岩本「全く非常識な奴等だ。まぁ…最後に"いいこと"やって死んでくれたおかげで、我が校の株は上がったがな…」
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天霧(プロフ) - とっても面白かったです。試練で一体どうなるのか。続きがとても気になります。次の更新待ってます。頑張ってください！ (2021年12月28日 13時) (
レス) @page20 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 私は蔵馬と飛影と凍矢が好きです。 (2021年11月1日 12時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 続き気になります(*⌒▽⌒*)更新楽しみにしてます(*⌒▽⌒*) (2020年1月25日 1時) (レス) id: 1bb7d04db9 (このIDを非表示/違反報告)
キハル(プロフ) - 続きを楽しみに待ってます！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年5月25日 20時) (レス) id: 33ebc0ef6e (このIDを非表示/違反報告)
waiwaichika(プロフ) - 続きを楽しみにしています。 (2018年6月29日 18時) (レス) id: 901fc2e49a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小日向柚子 | 作成日時：2017年1月22日 4時
