第一話 死んだ"私"…？ ページ1
『…？ ……は？ 何だコレ』
浦飯 A(うらめし ゆうり)。14歳。
性格は…難はあれども悪くない。彼女は唯々不器用で、優しき心を持ちながら何故か行動が裏目に出て誤解されてしまう少女。
そんな彼女が、今この時ーー命を散らした。
「オレが悪いんじゃねー！ が、子供(ガキ)が急に……ッ」
「おい、もうダメなんじゃないか…？」
「いいから早く救急車！！！」
耳慣れたサイレンを鳴らして救急車が現場に現れた。ーーボロボロに血塗られた…あたしの"屍"を回収するために。
『…あーらら、あんなボロボロになっちまって。つーか…、やっぱどう見てもありゃ"あたし"だよなぁ…？』
自分の"屍"を上空から見下ろしいるという異常な状態にも関わらず、Aの声は淡々として表情は彼女には珍しくポカンとしたものだった。
常識ではあり得ない状況に混乱していて、いつもならポーカーフェイスを崩さない整ったその顔には、確かに驚愕の色が浮かんでいた。
救急隊員「子供は無事だぞ、かすり傷だ」
救急隊員「こっちは……"ダメ"だな」
おい、"ダメ"とか言うな。此方は聞きたくないものでも聞こえてきちまうんだからよ。
…ん？ そういや、なら"あたしは"一体何なんだ？ ちょっと声かけてみっか。
『おーい、隊員さん？ 聞こえてますー？』
巷では"不良娘"と呼ばれるあたしだが、人並みの礼儀は持ち合わせているつもりだ。年上の奴には基本敬語敬称は付けるぞ。…ま、"例外"はあるがな。
Aはセーラーのスカートで胡座を組み、ふよふよ浮かびながら救急隊員らに近づく。
救急隊員「兎に角ボーヤも救急車へ！！」
『…あのー、もしもしー…？ 無視ですか、そうなんですか、…いい度胸だなアンタ』
心が広いと云われるあたしでも、ちょぉっとドが過ぎると手が出ちまうぞぉ？(黒笑)
あまりに自然に無視をされ続けて些か腹が立ったAは好奇心もあり、"自分"を担架に乗せて運ぶ救急隊員の足を引っかけようとした…が。
おろろ…？
彼女の足は実体を無くし、救急隊員の足をスカッと通り抜けてしまったのだ。
『？？？』
救急隊員らは"彼女"にも通り抜けた足にも全く気づいた様子はなく、かすり傷程度だった少年と"屍"となったAを乗せた救急車は、再びサイレンを喧しく響かせ去っていく。
未だ人のざわつく現場で誰にも存在を認識されずにポツンと座り込み段々と、元々の冷静さを取り戻してきた彼女は事故が起きる前の記憶を脳裏に蘇らせる。
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天霧(プロフ) - とっても面白かったです。試練で一体どうなるのか。続きがとても気になります。次の更新待ってます。頑張ってください！ (2021年12月28日 13時) (
レス) @page20 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 私は蔵馬と飛影と凍矢が好きです。 (2021年11月1日 12時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 続き気になります(*⌒▽⌒*)更新楽しみにしてます(*⌒▽⌒*) (2020年1月25日 1時) (レス) id: 1bb7d04db9 (このIDを非表示/違反報告)
キハル(プロフ) - 続きを楽しみに待ってます！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年5月25日 20時) (レス) id: 33ebc0ef6e (このIDを非表示/違反報告)
waiwaichika(プロフ) - 続きを楽しみにしています。 (2018年6月29日 18時) (レス) id: 901fc2e49a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小日向柚子 | 作成日時：2017年1月22日 4時
