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幕章 ページ10

「ていう、夢見たの。」
「お前宮城向かう車の中でそんな長い夢見てたのかよ!」

へへっと俺は隣に座る茶髪に言われるなり笑った

「俺びっくりしたよー。けーちゃんと一緒に旅だなんてさ。」

俺はカーテンの隙間から遠くに見えるある施設を見ながら言った。

「まあ、これでシゲに言ったら1本お話できそうだよね〜」
「残念だけどそういうジャンル俺あんまかかないからな〜」

えーっという俺を相手に特徴的な笑い方をするシゲ

まっすーは寝てたところを起こされたのかすこしぼんやりとしてる。

ライブのコンセプトのせいかものすごく印象に強い夢を見た気がする。

楽しかったけど…辛くて、そして大事な人を1度失って悲しい夢だけど

「とても幸せな夢だったな…とても…」

俺が聞こえないように呟いたのに慶ちゃんには聞こえたのか俺の方を向いて

「…?どんな感じだったの?」

と聞いた、あっ、やばい、聞かれた…ここは誤魔化そ!

「えー!教えない!考えてね〜?」
「はあ?」
「ほら!もうすぐ着くから!」

少し困惑する慶ちゃんを無視して見えてきた会場に俺たちは胸を高鳴らせていた。

今日から1番大事な大事な日が始まる。

「もうSTORYかぁ、早いなぁ。」
「まあ、ね、早かったな。」

慶ちゃんはスマホで時間を見ながら言った。

「慶ちゃん。」

俺は慶ちゃんの空いてる片手に手を置いた。

「ん?」

慶ちゃんは俺の顔をみた。

「んーん!なんでもない!頑張ろうね。」

俺は笑顔で彼にそう言った。

「なんだよ、まあ、頑張ろうな、祐也。」

その言葉に何故か懐かしさを覚えた俺はBluetoothイヤホンを付けて曲を流した。

そして俺はある曲を選曲した。

あの夢の続きを見たくて…大切で大好きな人と共に生きるあの夢を見たくて…

"NEW STORY"という曲を。

Fin

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作者名:ロイ | 作成日時:2020年5月29日 22時

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