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｢ここは…｣
そこはもう廃村となった村だった。
｢…覚悟してきたけど…やっぱりね。｣
祐也は悲しそうに笑った。
どんどん青み掛かった空は橙色に染まっていく。
｢っ、探そ。｣
俺たちは錆びれた門を潜り廃墟と化してる住居を過ぎていった。
祐也の村に何が起きたか察しがついていたため聞かなかった。
きっとこの最果ての原を狙って暴動を起こしたやつがいたのだろう。
するとある錆びた柵が見えた。
｢ここかな…？｣
俺が柵に触れた途端目の前になにか影が降りてきた…って祐也！？早くね？！
もう柵を超えた祐也は早くー！と俺に言った。
｢まっ、待って！俺に出来…｣
柵に足をかけると以外に超えれそうだった。
｢よ、よいしょ…｣
すとんと軽く着地できた、ビビりすぎたのか…
祐也は少しクスクス笑いながら俺を見つめていた。
｢ほら、早く行こ？｣
俺は祐也と肩を並べながら歩いていた。
｢なんか…見えるんだけど…線路？｣
柵の中に入るなり錆びた鉄の棒がある。
｢あ、ほんとだー。何かあったのかな？｣
祐也と俺はこの線路を目印にし歩いていく。
しばらく線路を凝視していた祐也は何かを思い出したような顔つきになった。
｢せんろ…汽車…！！！｣
急な大声をだすから俺は少し間抜けな声をだしてしまった。
｢聞いたことある、最果ての原には歯車の電車があったって！｣
それを聞いて俺は確信付いた。
｢ほんとか！｣
｢うん！｣
俺と祐也はどちらからともなく手を繋いで走り出す。
これで汽車に歯車が着いてたら最果ての原だということが分かる。
確か最果ての原は俺たちのような力を持った子供たちにしか近づけないって聞いた。
やっと、やっと…目的の場所に着いた…
俺たちはお互い息を整えながら共に転車台へ付いた。
そこにはもう既に動かせないような汽車が悠々と停車していた。
祐也は汽車に近づき回り込んだ
｢お、おい！気をつけろよ！？｣
俺の忠告が聞こえてたのか分からないが祐也は慎重に汽車の側面を見た。
その瞬間祐也はあ！と声を上げた。
｢まさか！｣
俺は声を聞くなりそう言いながら走って近づき祐也と同じような体制で汽車をみた。
俺の目に映ったのは錆びた歯車が接着されていた側面だった。
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作者名：ロイ | 作成日時：2020年5月29日 22時
