六本木最強はあの女。2 (ページ4)

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第50話ページ4

「蘭に避けられてる気がする」

「は？」

ｺﾛﾝと指で丸氷を回しながら

竜胆にボヤく

「兄貴とまた喧嘩でもしたか？」

「んーちょっと前に取引のあとに

　あそこの社長と飲みに行ったでしょ？

　あの後に蘭が私を見かけて拾ってもらったのよ」

そう言うと考えたような顔をして

「…多分兄貴キレてんな」

「え？キレてたんだ」

「なぁA、取引相手と仲良くするのは良いけど

　私生活と仕事のAくらいはちゃんと分けろ？」

そんなことを言われたことがなくハッとする

「そっか…そうだよね竜ちゃんの言う通り」

今まで遊んでばかりで

相手のことを気にしたことがなかった

「蘭ちゃんに同じことされたら私もムッとするかも」

「だろ？兄貴に謝ってこい？」

「うん…ありがとう竜胆」

そんな話をしていた時

竜胆の携帯から機械音が鳴り響く

「あ、ごめんA

　前に遊んだ女から電話ちょっと待ってて」

竜胆が席を待つ間グラスの中の液体を1人飲み進めた

ーーーー

1人席を立ち

一度外に出て着信に応答する

「なに？兄貴」

『今日Aを一度も見てないんだけど

　今日デスクワークのはずだろあいつ』

「もう帰ったんじゃねーの？

　A書類の仕事とかも嫌いだし」

『竜胆、お前どこいんの？』

「超可愛い女の子と遊んでる」

『…久しぶりに俺も遊ぶかぁ〜

　前の一件で腹立つし』

「キャバ？」

『お前が今遊んでる女と』

その言葉に少しばかりムッとする

「えー…」

久しぶりに独占していたAとの時間は

あっという間に過ぎようとしていた

『兄ちゃんに取られたくない位イイ女〜？』

「兄貴に自慢したくなるくらいイイ女」

密かに想いを寄せていた相手だったから

「まぁ良いけど

　六本木の前によく兄ちゃんが通ってたバーにいる」

そう伝えると通話を切り

アルコールを飲み進める彼女の元へ戻った

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