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廃れた村 ページ1
とある山で、
私は迷子になった。
早く麓の町に帰りたくて、
兄や両親、ヒロくんの元へ戻りたくて
必死に山を降りた。
どれだけ歩いただろう。
気付けば陽も落ち、
目の前には鳥居が構えられた、
廃れた村があった。
家屋があったことに安堵した私は、
村へ足を踏み入れた。
だが、それは間違いだった..。
踏み入れた瞬間、
ナニかが此方を見ているような気配がした。
幼ながらに感じた恐怖。
『ッ..!..いやッ..。』
私は必死に、
安息の地を求め村を駆けた。
奥へ進むと、紅く光を放つ蝶を見つけた。
何故か、ホッとする安心感を覚えた。
蝶が舞う方へ歩みを進めると、
「誰だい..?」
頭上から声がした。
見上げると、白髪の男の子が私を見下ろしていた。
『私はA..お兄ちゃんは誰..?』
「僕は
樹月と名乗る彼は、
何となくだがこの世の人間とは思えなかった。
「...もしかして、八重の娘かい..?」
『やえ..?』
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作者名:雪姫 | 作成日時:2022年7月17日 22時