再会 ページ45
そんなことを考えている間両親は何をしているかというと。
「で、できた〜！ くーちゃん、優羽ちゃんはいつ来るの？」
「楠雄！ お前味見するか？」
合否がわかる前から「合格おめでとうケーキ」作りにいそしんでいた。はじめは気が早すぎだと思ったのだが、もう汐入さんが200m圏内に入ってきたことを考えるとちょうどよかったみたいだ。今ケーキが完成したくらいだからな。しかも、二人はケーキだけを作っていたわけではない。その他、七面鳥やらなんやら……やたらクリスマスみたいな料理を作っていた。
そして僕は手の離せない二人の代わりに、汐入さんが来た時にドアを開ける係だった。
(楠雄く〜ん!! ドア開けて〜！)
ちょうど彼女が僕に呼びかける声がする。
彼女のテンションがマックスまで高まっているから、その流れで僕の家へ直接来てくれたようだ。自宅にいったん帰る前にこちらへ寄ってくるとは。早く開けないと彼女にドアが破壊されてしまう。
僕は汐入さんの次の行動を予測してサイコキネシスではなく自分自身の手でドアを開きに行った。彼女はおそらく、玄関を通った瞬間僕に抱き付いてくるはずだ。受験のためと「楠雄断ち」を行ってきていたから、集中力が途切れ、受験も終わった今、彼女に我慢する理由はない。勢いで飛び出してきそう。
彼女とは今までそんなに大きなボディータッチを行ったことがないので、彼女と、僕自身がどんな反応をするのか分からないが嫌だということはないだろう。
玄関まで来てドアを開いた。その瞬間、ワンボックスカーがものすごいスピードで道路を進み、僕の家の前で止まった。車の中にはもちろん彼女がいた。さっきまで泣いていたのか、目元が赤くなっている。
彼女は車への気遣いゼロというように扉を力いっぱい押した。ぎりぎり壁に当たらなくて良かった。
そのまま開きっぱなしの扉を閉じることもなく、僕のほうへ突撃してくる汐入さん。その様子を見て、僕はバッと両手を大きく広げた。
勢いと、50キロ弱の体重が合わさって常人なら倒れこむような衝撃が僕に伝わる。しかし僕は超能力者だ。これくらいなら難なく受け止めることができる。
受け止めると、彼女はそのままの体勢で動かなくなった。衝撃を分散させなかったせいでもろに受けることとなった衝撃で気でも失ったのかと心配になったが、テレパシーはちゃんと彼女の意識の有無を教えてくれる。嬉しそうにしていた。僕に顔を見せないのは、赤くなった顔が恥ずかしくて隠したいから。
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りたるだんど(プロフ) - 風姿 花伝さん» お久しぶりです。連載中の方も読んでいただけているようで嬉しいです。風姿さんも自分のペースで執筆頑張ってください。コメントありがとうございました！ (2018年8月4日 0時) (
レス) id: 90f15b9960 (このIDを非表示/違反報告)
風姿 花伝(プロフ) - 完結おめでとうございます。そしてお疲れ様でした。人の心の成長をよく表せていたように思います。今執筆なさっている新作の方も、今後の展開を楽しみにしております。 (2018年8月3日 23時) (レス) id: 93face14bb (このIDを非表示/違反報告)
りたるだんど(プロフ) - あさぎさん» コメントありがとうごさいます〜！綿密って言われると嬉しくて照れます！後一話残っているのでおまけ加える予定です〜！読んでいただきありがとうございます！ (2018年8月3日 20時) (レス) id: 90f15b9960 (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 完結おめでとうございます！夢主ちゃんと楠雄くん、末永くお幸せになって欲しいです！話の展開が綿密に組まれていて、素晴らしかったです！ (2018年8月3日 19時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)
りたるだんど(プロフ) - もちこさん» コメントありがとうございます。そこまで褒められるとは……！すごく嬉しくてドキドキしました。読んでくださりありがとうございます。 (2018年2月4日 17時) (レス) id: 90f15b9960 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたるだんど | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Ritarudando1/
作成日時：2017年8月9日 10時
