ずれた遭遇 ページ25
――ついに4日が経ち、母親と対峙する日が来た。
僕も緊張のせいなのか、いつもより早く目が覚めた。
「くーちゃん、おはよう。ご飯出来てるわよ」
いつもより優しい声で母さんが語り掛けてくる。
だが、その語尾はいつもの様に間延びしてはいない。母さんの緊張が伺えた。
「……」
「パパ？」
父さんもいつもなら声の一つや二つ掛けてくるのだが、どきどきしていてそれどころじゃないらしい。
テレパシーがいつもの何倍もうるさかった。
(ああああついに来ちゃったよぉ〜この日が！ 楠雄が結婚するかがこれにかかってるんだぞ!?)
右手に持っているコーヒーが父さんの手の震えで零れだす。
それにすら気づいていない。
結婚は懸かってない……と思う。
正直そこまで未来は見えていないのでどうなるかわからない。
とりあえず体力をつけるためにも朝食を食べよう。
◆
「パパ、準備できた？」
「完璧だよ！ これならあちらのお母様も家に入ることなら許可してくれるさ」
「……説得は？」
「うっ……大丈夫、だよ。楠雄もいるしね」
僕だけだときっと母親を説得できないから皆で行こうって話になったはずなんだが。
ちゃんと接触してもらうからな。
普段着よりは多少整った服装をして、汐入宅に行く準備が出来た。
「というか楠雄、家知ってるのか」
汐入さんの家への行き方は少し前に汐入さんをストー、いや、追跡していた時にある程度知った。
一応言っておくがあれはストーキングなどではない。
ちゃんと声を掛けたし、嫌悪感も汐入さんは持っていなかった。
そう。超能力を使っていたのはともかくあの行為は合法なのだ。
近くまで記憶で道をたどる。
しかし、僕は家まで付いて行った訳ではないのでどうしても途中で分からなくなってしまった。
残りは彼女からのテレパシーで道案内してもらおう。
その時だった。
(あら、あの人は……同じクラスの斉木かしら？構ってあげましょ！)
まずい。これは非常にまずい。
今聞こえた声の主は照橋心美、という同級生だ。
僕に気付いたということは、彼女は近くにいるということだ。
まだ約束の時間まで30分はあり、家も200m圏内と非常に近いからそこは問題はない。
それでも、僕は彼女に会いたくない理由があった。
――尋常じゃなく目立つのだ、彼女は。
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りたるだんど(プロフ) - 風姿 花伝さん» お久しぶりです。連載中の方も読んでいただけているようで嬉しいです。風姿さんも自分のペースで執筆頑張ってください。コメントありがとうございました！ (2018年8月4日 0時) (
レス) id: 90f15b9960 (このIDを非表示/違反報告)
風姿 花伝(プロフ) - 完結おめでとうございます。そしてお疲れ様でした。人の心の成長をよく表せていたように思います。今執筆なさっている新作の方も、今後の展開を楽しみにしております。 (2018年8月3日 23時) (レス) id: 93face14bb (このIDを非表示/違反報告)
りたるだんど(プロフ) - あさぎさん» コメントありがとうごさいます〜！綿密って言われると嬉しくて照れます！後一話残っているのでおまけ加える予定です〜！読んでいただきありがとうございます！ (2018年8月3日 20時) (レス) id: 90f15b9960 (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 完結おめでとうございます！夢主ちゃんと楠雄くん、末永くお幸せになって欲しいです！話の展開が綿密に組まれていて、素晴らしかったです！ (2018年8月3日 19時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)
りたるだんど(プロフ) - もちこさん» コメントありがとうございます。そこまで褒められるとは……！すごく嬉しくてドキドキしました。読んでくださりありがとうございます。 (2018年2月4日 17時) (レス) id: 90f15b9960 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたるだんど | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Ritarudando1/
作成日時：2017年8月9日 10時
