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side_you
樹に連れてこられたのは旧校舎にある音楽室。
賑やかな文化祭から切り離されたように、
静まり返った教室。
樹｢ここ、誰も来ないから安心して｣
樹がお面をかぶったり、
人目を気にしているのは私のためだと気がついた。
私が北斗くんといることで感じている変なプレッシャーのようなものを感じさせないために…
｢ありがとう…｣
そう言って私は近くにあった椅子に腰かける。
樹も近くの机に腰かけた。
樹｢なんか、久しぶりだな…ちゃんと、話すの｣
｢…だね｣
目を見て話すのも恥ずかしいくらい、
私たちの間には溝ができてしまっている。
会話も途切れ途切れで、ぎこちない。
樹｢…ステージ、見てくれた？｣
｢うん、見たよ…かっこよかった……｣
樹｢そっか…｣
顔を見なくても、喜んでいることが声で分かる。
樹のそういう所…わかりやすくて単純な所、
案外、好きだったりする。
樹｢最後の、バラード…｣
｢あぁ、いい曲だね、あれ｣
初めて聴いた曲だったけど、
なんとなくいい曲だなと思いながら聴いていた。
それは、樹が歌っていたから…なのかもしれないけど。
樹｢あれ、お前のために…、Aに向けて歌った｣
｢…え？｣
すごく驚いた。
けど、正直、メロディーはなんとなく思い出せても、歌詞までは思い出せない。
そんな私を見て、樹は立ちあがり、
前方にあるピアノに向かい、鍵盤に手を置く。
樹の細い指が華麗にメロディーを奏で始める。
樹｢幸せ溢れるよう そっと見守ってる｣
樹の歌声が心地よく、私の心の中に入り込んでくる。
樹｢遠くから 心から 想っている｣
その声はどこか切なげで、
少し、心を締め付けられる感じがした。
樹｢だから君が 辛くなった時は｣
樹は1度こちらをチラリと見て、微笑んだ。
樹｢今までの灯じゃないともしび 君の元へ届けるから｣
その微笑みは、悲しく、儚い。
樹｢夢を願ってね｣
歌い終えた時、私はわかってしまった。
この曲は、恋を…終える歌だ。
樹は、私への"好き"を、諦めてしまうんだ。
私には北斗くんがいるから、
樹からの"好き"には応えられない、応えちゃいけない。
そんなこと分かってたけど…
わがままで、欲張りな私は、
樹からの"好き"を、失いたくなかった。
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さいか(プロフ) - リリーさん» そんなふうに言っていただけるとすごく嬉しいです(;_;)ぜひまたリクエストがあればよろしくお願いします！ (2019年2月16日 23時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - すごいです！こんなに素敵になると思ってなくて何回も読み返しちゃいました！ありがとうございます！ (2019年2月15日 0時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - リリーさん» リクエストありがとうございます！バレンタインにピッタリのお話が書けて嬉しかったです！！ (2019年2月14日 13時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 樹くんへバレンタインのチョコをプレゼント手作りしてプレゼントするのが読みたいです！お願いします(^ ^) (2019年2月12日 11時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - リリーさん» リクエストありがとうございます！「�� - 雨降る日曜日 - 」にて、樹くんと女の子ちゃんのラブラブ書かせていただきました。ご要望に答えられたか心配ですが…ぜひ、読んでいただけたら嬉しいです！ (2019年2月12日 6時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2018年11月19日 7時
