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Aを連れて来たのは旧校舎にある音楽室。
人の出入りは少なく、
授業をサボる時はだいたいここに来る。
Aはかなり人の目を気にするから、
ここならちょうどいいだろう。
｢ここ、誰も来ないから安心して｣
A｢ありがとう…｣
Aは適当にそこら辺の椅子に腰かける。
俺も近くの机に腰かけた。
｢なんか、久しぶりだな…ちゃんと、話すの｣
A｢…だね｣
Aと話すことに緊張してしまう。
｢…ステージ、見てくれた？｣
A｢うん、見たよ…かっこよかった……｣
｢そっか…｣
Aから"かっこよかった"と言われた。
たとえそれがお世辞だとしても、
その言葉は嬉しくて、顔が緩む。
｢最後の、バラード…｣
軽く自分の頬を叩き、
気を引きしてめ本題に入った。
A｢あぁ、いい曲だね、あれ｣
｢あれ、お前のために…、Aに向けて歌った｣
A｢…え？｣
まるで少女漫画のようなセリフを言う自分に、
少し照れくささを感じる。
Aは驚きを隠せていない。
そしてどうやら、
あの曲の意味までは分からないようだ。
無理もない。
1度聴いた曲を完璧に意味まで捉えることは誰にだってできないだろう。
俺は立ちあがり、
前方にあるピアノに向かい、鍵盤を眺めた。
耳コピではあるが、
"Candle"のメロディーを弾いてみせる。
｢幸せ溢れるよう そっと見守ってる｣
ステージ上で歌った時とは違い、
今はAのためだけに歌う。
｢遠くから 心から 想っている｣
今度はしっかり、歌詞を伝えよう。
｢だから君が 辛くなった時は｣
Aを一瞥し、その可愛らしい瞳に訴える。
｢今までの灯じゃないともしび 君の元へ届けるから｣
俺の気持ちを、俺の決断を…
｢夢を願ってね｣
歌い終えてしまった…伝えてしまった。
俺の"失恋"を。
Aをこれ以上、困らせないように…
Aを傷つけたくなくて出した、俺の答え。
Aは悲しそうな顔をしていた。
でも大丈夫。
その顔を笑顔に得てくれる人が、
Aにはいるから…
なぁ北斗、頼むから…
Aを、幸せにしてくれ。
.
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さいか(プロフ) - リリーさん» そんなふうに言っていただけるとすごく嬉しいです(;_;)ぜひまたリクエストがあればよろしくお願いします！ (2019年2月16日 23時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - すごいです！こんなに素敵になると思ってなくて何回も読み返しちゃいました！ありがとうございます！ (2019年2月15日 0時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - リリーさん» リクエストありがとうございます！バレンタインにピッタリのお話が書けて嬉しかったです！！ (2019年2月14日 13時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 樹くんへバレンタインのチョコをプレゼント手作りしてプレゼントするのが読みたいです！お願いします(^ ^) (2019年2月12日 11時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - リリーさん» リクエストありがとうございます！「�� - 雨降る日曜日 - 」にて、樹くんと女の子ちゃんのラブラブ書かせていただきました。ご要望に答えられたか心配ですが…ぜひ、読んでいただけたら嬉しいです！ (2019年2月12日 6時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2018年11月19日 7時
