最弱総長逝っちゃって！

殴打 ページ48

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「おいっ、バケモノ！！こいつバケモノだぞ！！！」


「バケモノぉ？あなた正気？私ってどこからどう見ても、“普通の女子高校生”じゃん？
そんなこと言うあなたの方こそ、バケモノだからっ！！」


「ぐ、ぁ゛！！！」


「いやぁよかったよかった、本当によかった。増援を放置してたら、きっと…何 対 何だっけ？マ、いっかぁ。オラァ゛！！！」


「あ゛ぁっっ！！」


「もうちょっとじゃん。あー寒。私手袋忘れてきちゃったんだわ。寒空の下、女子一人相手に数十人でたかるとかゴミ？」


最後の一人の横っ面を、遠慮なく鉄パイプで叩く。ぽーん、と何か飛んだ。歯だ。赤色の血が、白い雪の下に落ちた。上から降り注ぐ雪に埋もれていく歯は、可哀想なので転がしてあげる。


起き上がってきたら面倒なので、気絶したり転がってる体を一つ一つ殴打する。ちゃんと優しくしてるよ。そんな、背中の骨折る勢いでやっても…。


途中から見分けつかなくなって、同じやつ三回叩いちゃったことは内緒。


いやぁこれはお手柄なのでは！？私ったら、やっぱりすごいなあ！私っていうより、私の能力が強いんだけどね。もう、能力なかったら今頃逝ってるっての。


つーかれた、とズボンが濡れるのも御構い無しに座り込む。ちべたーい。


相棒の鉄パイプくんはすでに手で握った部分が凹んでらっしゃる。こりゃ使い物になるかな？だいぶん痛んでると思うので、ぽい、と雪のカーペットに捨てた。


ああ静かだ。静かな夜だ。


このまましんでもいいくらいに、きれいなよるだ。



バブ––––––––––––––

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