259 究極の絆 ページ9
あのシュートを受ければ、信助でもひとたまりもないかもしれない。新雲11人分の力が乗った化身は、一回りも二回りも大きく見えた。
打ち破るには、進化した天馬の化身じゃないと──いや、それでも本当にできるのか。
どうする……どうしたら防げる。
「俺達も力を合わせましょう！ 化身の力を！ 俺達の力をひとつにすれば、誰よりも高く飛べるはずです！」
──フィールドの天馬の言葉に我に返る。
そうだ。こちらも同じ手を使えばいい。一つの化身で適わないなら二つで、二つが駄目なら三つの力を合わせればきっと。
神童と剣城も、天馬の言葉に頷いた。そうして新雲の化身と真っ向から対峙する。
「行くぞ！『奏者マエストロ』！」
「『剣聖ランスロット』！」
「『魔神ペガサスアーク』！」
並んだ三体の化身は強烈なエネルギーを纏い、やがてひとつの光に包まれた。
「これで決める！ 『サンシャインフォース』！」
雨宮の放ったシュートが、光にぶつかった。
凄まじい衝撃波が、フィールドにいる選手の、ベンチにいる私たちの、観客たちの頬を撫でていく。
数秒のせめぎ合い。そして、光の膜が剥がれていく。
「「『魔帝グリフォン』！！」」
──姿を現したのは、黄金の翼を煌めかせた魔帝だった。
三体の化身が融合して生まれた新たな化身は、放たれたシュートを受け止め、押し返そうと踏ん張る。
しかしここで折れる新雲ではない。11人分のパワーが、天馬たち三人をやや押し返した。
「神童！ 負けたらいかんぜよ！」
「踏ん張れ、剣城くん！」
「頑張れ、天馬ーっ！！」
しかし──錦、影山、信助の激励が、三人を鼓舞した。
全員の思いを乗せて、天馬たちは最大限の力を振り絞った。
そして。競り勝ったグリフォンは、雨宮の必殺技の勢いをも乗せたシュートを放つ。
強力なシュートはキーパーの化身必殺技をも貫き、ゴールネットに突き刺さった。
そこに鳴り響く、長いホイッスル。私たちは得点板を見た。
4-3。今のが逆転ゴールだった。勝ったのか、私たちは。
そう……勝った。
雷門は新雲学園を退け、決勝戦に駒を進めたのだ。
「「やったあーーーっ！！」」
飛び上がる選手たち。割れんばかりの声援と、拍手喝采。
私たちマネージャーも手を合わせ、頬を上気させて勝利を喜んだ。
夢じゃない。本当に勝てた。白熱した、本気でぶつかりあった熱い試合だった。それだけに喜びもひとしおだった。
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キメラ(プロフ) - うさまる。さん» コメントありがとうございます！ 更新に波があって、お待たせしてしまって申し訳ないです💦 ゆっくりペースの連載になりますがこれからも見守ってもらえるとありがたいです！ (2022年10月22日 10時) (
レス) id: ac6bc7be2b (このIDを非表示/違反報告)
うさまる。(プロフ) - 更新ありがとうございます！この作品大好きなのでとても嬉しいです！無理せず更新頑張ってください！ (2022年10月22日 9時) (レス) @page33 id: b10d69f65a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キメラ | 作成日時：2022年9月10日 9時
