300 笑顔の写真 ページ50
「本っっっ当に凄かったです！！ 俺、先輩たちの演奏に投票しました！」
「僕もしました！」
「ありがとう。でも、先輩だからって理由で気を遣わせちゃった？」
「そんなことないです！ A先輩たちの演奏が、なんかこう、一番ビビっと来ました！ ね、剣城！」
「なんで俺に振るんだ……まあ、素人の感想ですが、綺麗な演奏だったと思いますよ」
「うんうん！ ステージの上のお二人、すっごい素敵でした！」
天馬と信助、剣城、葵に一気に褒められて、私の頬は熱くなる。
──よかった。皆の心にも、私たちの音は響いていた。
「感動したよ。二人、これからいい演奏パートナーになれるんじゃないか」
霧野が歩み寄ってきて言う。
これから。その言葉に、私と神童は顔を見合わせる。
またこんな風に、舞台に二人で立てたら。それは私が思い描いた、最高な未来だった。
「そうだな。俺は、Aとの共演がこれっきりとは思いたくないしな」
神童が眉をちょっと上げて笑う。
同じことを思ってくれてる──そう感じると、私の顔に一気に熱が集まった。
「わ、私も……」
言葉はそこで途切れる。
にゅっと顔を出してきた茜が、私たちの顔を交互に見比べて満足そうに笑ったからだった。
茜は鞄からいつものカメラを取り出す。
「ツーショット撮ってあげる」
写真……そうか。せっかくのこの日の思い出を、形に残るようにしないとだった。
お言葉に甘えることにして、私たちはロビーの隅に二人で並んだ。
「もうちょっと寄った方がいいんじゃないか？」
「トロフィーを二人で持ったらどうですか？」
「あ、それ賛成！」
「うん、いい感じです！」
「二人とも笑って。はい、チーズ」
賑やかな声と共に、シャッターが切られる。
見せてもらった画像の中には、トロフィーを真ん中に微笑む私と神童の姿が綺麗に映っていた。さすが茜だ。
「ブリントして、明日持ってきてあげるね」
「うん、ありがとう──」
「Aーーーっ！ ガチのガチで最高だったよーーーっ！！」
突進された。
つんのめりながら姉の身体を受け止める。よく見ると泣いているようだった。
「二人とも演奏上手なのはそうなんだけどさ、もう聴衆の心を掴んでぐわんぐわん揺さぶられるような音色だったよね、暖かくて優しくて綺麗で尊くて──」
「わかった、わかったから離れて、みんな見てるから」
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キメラ(プロフ) - うさまる。さん» コメントありがとうございます！ 更新に波があって、お待たせしてしまって申し訳ないです💦 ゆっくりペースの連載になりますがこれからも見守ってもらえるとありがたいです！ (2022年10月22日 10時) (
レス) id: ac6bc7be2b (このIDを非表示/違反報告)
うさまる。(プロフ) - 更新ありがとうございます！この作品大好きなのでとても嬉しいです！無理せず更新頑張ってください！ (2022年10月22日 9時) (レス) @page33 id: b10d69f65a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キメラ | 作成日時：2022年9月10日 9時
