288 爆炎、再び ページ38
霧野と車田さんがジャンプして止めようとしたが、それよりも高く跳んだ相手選手が優位を確信し、不敵な笑みを浮かべる。
しかし。雷門には、ジャンプ力では右に出る者はいない人物がいた。
──信助がパンチングでクリアする。ギリギリ、ペナルティエリア内だった。
こぼれたボールを浜野が拾う。
しかしすぐにスライディングを受け転びかけたが、逆立ちの体勢から速水へボールを回す。
ただここは化身に阻まれてしまった。相手にボールが渡ったが、雷門のDF四人が立ち塞がる。
一瞬たじろいだ相手選手だったが、すぐにシュートを放つ。ディフェンス陣はそれを、四人がかりで止めてみせた。
全員の動きが、目が、変わった。
天馬のプレーが、皆の心を奮い立たせているのだ。風が吹いている。誰にも止められない、革命の風が！
ボールは剣城から天馬、錦、影山へと繋がる。
ただドラゴンリンクの最終防衛ラインが化身と共に立ち塞がった。
吹き飛ばされる影山と錦──いや、違う。
錦が下、影山が上で……いつかの試合で見た『かっとびディフェンス』の要領で、影山が勢いよく飛んだ。そして。
「うっぎいいいい！！ 『エクステンドゾーン』！！」
凄まじいシュートが、化身を吹き飛ばした。
勢いが削がれ、速度を落としながら落下するボール。それはシュートではなく……パスだった。
「天馬！！」
剣城が叫ぶ。
走り出てきた二人は、絶好のタイミングで同時に飛び上がった。
「「『ファイアトルネード
──あの技は、豪炎寺さんの！
「無駄だ！『賢王キングバーン』──『キングファイア』！」
炎対炎。激しく散る火花。
互角……いや、千宮路が押され始めた。
そう、負けない。十一人の想いが乗ったボールは、何にも負けないのだから！
「「いっけえーーーーっ！！！」」
──ついに賢王が敗れた。強烈なシュートがネットに突き刺さる。
3-4。一歩追いついた。
ただ、私を含むベンチメンバーは呆然としていた。豪炎寺修也がFFIで一度だけ放ったという伝説のシュートが、二人技で目の前に現れたのだから。
そんな私たちに、円堂監督と鬼道コーチが解説を加える。
「同時にファイアトルネードを打ち、エネルギーを増幅させる必殺シュートだ」
「二人の動きを完璧にシンクロさせなければ成功しない、超難度の技だ」
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キメラ(プロフ) - うさまる。さん» コメントありがとうございます！ 更新に波があって、お待たせしてしまって申し訳ないです💦 ゆっくりペースの連載になりますがこれからも見守ってもらえるとありがたいです！ (2022年10月22日 10時) (
レス) id: ac6bc7be2b (このIDを非表示/違反報告)
うさまる。(プロフ) - 更新ありがとうございます！この作品大好きなのでとても嬉しいです！無理せず更新頑張ってください！ (2022年10月22日 9時) (レス) @page33 id: b10d69f65a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キメラ | 作成日時：2022年9月10日 9時
