285 作戦の正誤 ページ35
両者互角。ボールは真上に打ち上がった。
それをすかさず剣城がクリア。
「『ロストエンジェル』！」
「『キングファイア』！」
しかし難なく止められてしまう。
ドラゴンリンクは隙のない連携で前線に切り込み、雷門に反撃の機会を与えないままシュート。
「『マジン・ザ・ハンド』！」
信助が化身で、確実に止める。
その後も化身に化身をぶつける戦いが続いた。しかし押される一方で、反撃の糸口は掴めない。
この作戦は、駄目だ……四人への負担が大きすぎる！
そうして──時間切れが訪れる。
剣城が化身を出そうと踏ん張るも、オーラはすぐに掻き消えた。
「剣聖、ランスロット！」
必死の呼び掛けも虚しく、オーラが具現化することはなかった。
それは錦も同じで、片膝を着いて荒い息を吐いている。
化身を出すための体力が尽きたのだ。一度化身を出すだけでもかなり消耗するのだ、長時間となると無理がある。
その隙を逃さず、相手がシュートを放つ。
そこに割り込んだのは──車田さんと天城さんだった。
「化身が出せなくたって──」
「俺たちが止めてみせるド！ 『アトランティスウォール』！」
二人がかりのブロック。しかし数秒の拮抗の後に破られてしまう。
ボールはゴールポストを直撃。跳ね返りを拾った相手選手が再びのシュート。
「させるか！」
今度は霧野が身を呈してのブロック。
その背に狩屋が加わった。しかし勢いを殺しきれずに吹き飛ばされる。
ボールはまた、ポストに直撃した。
私はフィールドでの一連の攻防を、泣きそうになりながら見ていた。
状況は絶望的。相手の体力は無尽蔵。こちらの体力は有限。ほとんどのメンバーが地に伏している。
どうしたら勝てるんだ。ここまで来て、諦めるわけには行かないのに。
「天馬くん！ このままじゃやられるのを待つだけだ……どうすればいい？！」
影山が悲痛な面持ちで天馬に迫る。
天馬は言葉に詰まる。最適な指示が思いつかないのだ。
皆の力は限界に近い。しかし攻撃に転じないと、勝利を掴むことはできない。
「全員でゴールを守る、か……下らん。これがお前たちのサッカーだというのか」
天馬と影山が振り向いて、息を呑む。
──千宮路がボールを持っていた。自陣のゴールをがら空きにして。
余裕だからだ。持ち場を離れても点を奪われることは万に一つもないと。
「貴様たちのサッカーに、今ここでとどめを刺す！ 『賢王キングバーン』！」
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キメラ(プロフ) - うさまる。さん» コメントありがとうございます！ 更新に波があって、お待たせしてしまって申し訳ないです💦 ゆっくりペースの連載になりますがこれからも見守ってもらえるとありがたいです！ (2022年10月22日 10時) (
レス) id: ac6bc7be2b (このIDを非表示/違反報告)
うさまる。(プロフ) - 更新ありがとうございます！この作品大好きなのでとても嬉しいです！無理せず更新頑張ってください！ (2022年10月22日 9時) (レス) @page33 id: b10d69f65a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キメラ | 作成日時：2022年9月10日 9時
