283 竜の牙 ページ33
「『フェンス・オブ・ガイア』！」
三国さんの必死のセーブ。
しかし地獄は──ここからだった。
二度目の化身シュート。これもどうにか必殺技で防いだが、三国さんの身体は吹き飛ばされてしまった。
そして三度目。間に立ち塞がったのは天城さんだった。
「『アトランティスウォール』！」
決死の必殺技は貫通されてしまったが、パワーは弱まった。パンチングでセーブ。
間を置かずに四度目。三国さんは真正面からキャッチするも勢いを殺しきれず──背中をゴールポストに直撃させてしまった。
息を呑む。吹き飛ばされた三国さんは胸にボールを抱えたまま、うずくまってぴくりとも動かない。
「三国さん！！」
「三国！」
駆け寄るメンバー。
一瞬、準決勝の時の神童の姿がフラッシュバックし、背中に嫌な汗が伝った。
その予想が的中したのか、担架に乗せられた三国さんは途中退場を余儀なくされた。
ぐったりとした三国さんが通路の向こうに消えるのを見て、私は膝の上で拳を握りしめた。
──これがドラゴンリンク。恐ろしい相手だ。
正直、聖堂山とは格が違う。圧倒的強さを誇り、相手チームを徹底的に叩き潰すよう強化されてきている。
フィフスの全てをつぎ込んだ精鋭達ということか。
負傷した三国さんに代わって、キーパーには信助が入った。
ドラクエリンクからのコーナーキック。からくも相手からボールを奪い、そのまま敵陣に攻め上がっていく。
四人のFW、化身使い。そいつらにボールを回さないために、敵陣の奥深くで戦うことを選んだようだ。
その作戦が功を奏したのか、大きなピンチに陥ることなく順調に連携が繋がり、そして天馬と千宮路大和との一対一へ。
「『魔神ペガサスアーク』！ いっけえええっ！！」
化身の力強いシュート、だがしかし。
「いでよ！ 『賢王キングバーン』！」
──化身使い、五人目。
「『キングファイア』！」
表情を全く変えることなく、天馬のシュートを止めてみせた。
唖然とする一同に、千宮路が嘲笑うように高らかに言う。
「はっ、お前たちは何もわかっていない。ドラゴンリンクは十一人全員が──化身使いだ」
一瞬、聞き間違いかと思った。
しかしその千宮路の言葉に呼応するように、他の十人の背中から化身が次々に出現する。
フィールドの半分が一瞬にして化身のオーラに呑み込まれてしまった。
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キメラ(プロフ) - うさまる。さん» コメントありがとうございます！ 更新に波があって、お待たせしてしまって申し訳ないです💦 ゆっくりペースの連載になりますがこれからも見守ってもらえるとありがたいです！ (2022年10月22日 10時) (
レス) id: ac6bc7be2b (このIDを非表示/違反報告)
うさまる。(プロフ) - 更新ありがとうございます！この作品大好きなのでとても嬉しいです！無理せず更新頑張ってください！ (2022年10月22日 9時) (レス) @page33 id: b10d69f65a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キメラ | 作成日時：2022年9月10日 9時
